2011年12月31日土曜日

さよなら2011

最後の戦争以来,日本にとって最も過酷であったと思われる2011年が過ぎようとしています.超円高による産業界へのダメージが深刻な最中での3.11東日本大震災.その後のタイでの大洪水により産業界へさらに追い打ちをかけました.我が国基幹産業の代表である自動車産業界では生産拠点の海外移転に余念がなく,一番遅れているトヨタで6割,進んでいる日産,ホンダでは7割がすでに海外に出てしまっているとのことです.これまで日本を支えてきた工業技術力はこれら大企業とともに発展してきた中小の下請け企業の存在あってのものなのですが,今後これら企業がほぼ全滅するだろうと危惧されています.一方ではギリシャに端を発するユーロ圏の経済破綻により,世界マネーは一層の円買いへとシフトし円高に拍車がかかりました.震災による福島原発事故は今後数十年に渡り放射能汚染との対峙を強いることとなり,我が国の電力事業全体に見直しを迫られています.こうした国家危機の時こそ,火急の政治判断,対応が求められるにもかかわらず,政権に不慣れな幼稚な政党では応えられる術もありません.与党転覆のみしか頭に無い野党しかり,我が国の政治の未熟さがこれほど国民の嘲笑を買う年も無かったのではと思います.今年は日本だけでなく世界でも大きな変化の兆しがありました.米国のイラク撤退,アラブの民主化等々は世界の人々もこれまでの潮流からの脱皮を求めているかのように見えます.世界主要国の基盤であった民主主義や自由経済主義の考え方にも変化が生まれるかもしれません.資源の少ない日本は世界との関わり無しにはありえませんが,先ずは日本自身がどうしていくのかを政治家も国民も真剣に考えなくてはいけません.益々進む高齢化社会と1000兆円の借金はだれが支え,解消するのか避けて通れない問題です.
私は朝日新聞の愛読者のひとりですが,新聞社の基本理念による個人の考え方への影響は少なからずあるだろうと思います.例えば9年前のイラク戦争開戦時,戦争と自衛隊派遣に反対した朝日に対し,読売や産経は開戦と派遣を積極的に支持したようです.今回の事故をきっかけとした原発のあり方についても朝日や毎日は脱原発を,読売,産経,日経は反脱原発といった具合です.こうした社説掲載にあたり執筆側は読者に独り善がりに陥らないよう心して伝える努力をしたいとありますが,一般読者は各紙をくまなく読み通すことはまずありませんので,その影響はやはり受けるものでしょう.例として妥当かどうかわかりませんが,巨人軍ファンなので読売の読者であるケースが少なくないとすれば,社会問題への意識も新聞社の考えが浸透します.読者側にも情報に対するバランス感覚が求められる所以です.
今年はひとりひとりの「当たり前のこと」が3.11を境に一斉にリセットされたかのようです.
「当たり前のこと」を見つめ直し,行動する2012年でありたいと思います.

2011年12月24日土曜日

クリスマスイブ2011

今宵はクリスマスイブですが,我が家の娘は予定が無いらしく,久しぶりの家族食事会となりました.
店は神楽坂のトラットリア「マルゲリータ」.先週,娘に一級建築士合格通知が届き,そのお祝いでもあります.本人以上に親が喜んでいます.よく頑張ったよね.

神楽坂トラットリア「マルゲリータ」

                クリスマスディナー スープとシャンパン

ハート型のピッツァナターレ

デザート「聖夜のドルチェ」

2011年12月19日月曜日

BF始動

BF21期がスタートしました.正確には11月末からだったのですが,練習1日目の前日が他団体の定演本番があり,打ち上げでは当然ながら飲み過ぎ,翌日は約束通りの体調不良.で1日目を欠席するはめになったのですが,聞けばメンバーの集まりが極めて悪かったようです.11月ってのはいろんなイベント,行事が重なる時期なのだろうなと思います.
で2日目の昨日,練習不足の不安を抱えつつ練習会場へ赴いたのですが,まずまずの集まりでした.1stMも7名でしたので安心しました.なにせ人数が少ないと指揮者から厳しい突っ込みが入りますので.今回の演奏内容ではソロマンドリンの協奏曲が難曲のようです.ソロ奏者はBFでも名人と呼ばれている御仁で,すでにソロ部分は9割がた出来上がっています.バックの演奏が結構難しく,個人練習でかなり集中しないと弾けません.あと1曲編曲依頼中のものがあり,近々完成する予定とのことです.これも恐らく難曲でしょう.一方,その他の数曲は比較的難度は高くありません.きょうの合わせでも本番さながらの出来でした.またハイレベルな連中との高密度の音楽が始まります.

2011年12月9日金曜日

レノン命日のあくる日

昨日はレノン命日はわかっていたのですが,レノンのボーカルを聴くのを忘れてしまいました.で,週末の今夜,聴いてるわけです.若かりし頃,レノンの自由奔放な生き方にあこがれつつも,できるわけないよななどと思っていたのですが,振り返ってみれば私は上司に楯突く,順応な社員ではなかったように思います.いまだに子供じみた行いにおもわず苦笑することもありますが,つっぱりのサラリーマン生活もあとわずかです.今宵はレノンの声をしみじみ聴くこととします.でもあのシャウトを聴くと血が騒ぐのです.

2011年12月4日日曜日

東京モーターショー2011

4年ぶりに東京モーターショーに行ってまいりました.2年に1度開催されているのですが,前回はリーマンショックの影響で主要な海外メーカーがほとんど参加しなかったため行きませんでした.今回はヨーロッパメーカーもかなり出展し,活気が戻ってきたようですので行くことにしました.
                  ゆりかもめ車窓からのレインボーブリッジ 会場の東京ビッグサイトはこの先

とはいえ,ひと頃の展示とはかなり様相が変わり,ほどんどが所謂エコカーのオンパレードです.モーターショーといえばフェラーリ,ランボルギーニ,ポルシェといったスーパーカーが花形でこれにモデルのようなコンパニオンが華を添えていたものです.いまやこうした華々しさは影を潜め,むしろ燃費向上を競う実用的な性能を全面に打ち出している訳です.
それと今回は会場が東京ビッグサイトに移り,広い面積と会場移動だけでいい加減疲れてしまいました.以前の幕張メッセの方が回りやすかった印象があります.
                             会場の東京ビッグサイト

ポイントはスポーティタイプに絞って回ることにしました.イタリアの2社は無く寂しいのですが,BMW,アウディ,ポルシェのドイツ勢とジャガーなど高級スポーティセダンにいいのがありました.過去に無いほどの円高もあり,イタリアのハイエンドカーはともかく,ちょっとお金に余裕があれば手が出せそうなタイプにはシートに身を沈めてみる見学者もかなりいました.
国産メーカーではトヨタとホンダのプロトタイプスポーツカーが注目を浴びていました.

 
                                                                      トヨタのスポーツカープロトタイプ LFA

きょうは昨日とうって変わって快晴になったため人出も多く,人気ブースでは最前列まで到達できないほどの人だかりができていました.やはりショーは人が集まらないと始まらないのですが,さすがにこれだけの人出と会場の広さには閉口してしまいました.

2011年11月23日水曜日

江戸時代の日本橋

以前の赴任地であった郡山市で,私が所属していたギタークラブの創立25周年記念演奏会が開催されるとのことで,差し入れを送ろうと高島屋へ行ってきました.デパートはどこもかしこもクリスマスの飾り付けが競うように展示されています.
高島屋本店玄関
三越本店新館玄関

帰りには三越本店の地下鉄通路に向いました.江戸時代の日本橋界隈が描かれた絵巻「煕代勝覧(きだいしょうらん)」(ベルリン国立アジア美術館所蔵)が展示されていたからです.長さ10mほどあるりっぱなもので,様々な店並,民衆や馬など活き活きと描かれています.題名の説明として「煕(かがや)ける御代(みよ)の勝れたる大江戸の景観」をとくとご覧あれ・・・とありました.
日本橋
通りは大賑わい
三越発祥地
日本橋~神田の大通り絵巻

きょうは勤労感謝の日で休日ですのでビジネスマンはおりませんが,日本橋見物に訪れる団体客が数多く見受けられました.
日本橋の守護神キリン

2011年11月13日日曜日

デュオサンクス

DuoSanksコンサートに行きました.
会場は東京駅八重洲口出てすぐの東京建物八重洲ホール.昨年と同じ会場でした.
コンビを組んで11年目.これまでのスタイルからの脱皮も必要なのかもしれない.本日のプログラムからも従来のそれとは異なるセレクトであり,デュオならではの意欲的なプログラムと感じました.
本日のストレートな感想はトレモロがわずかに荒く感じられたこと.これは少し語弊があるかもしれません.つまり,アンリさんの縦横無尽に鳴るギターが音量的にも音色的にも浮き出ており,これに対応するにはそれなりの音量を伴ったトレモロやピッキングが必要となる訳で,ただ単なるきれいなトレモロでは対応できない訳です.私は以前からネーサンの精緻なトレモロが好きだったので,本日のそれはちょっとはずれてしまいました.しかしながら彼女の本領というか,ピッキングの歯切れ良さは相変わらずで気持ちよく聴かせていただきました.
でも打ち上げでもトレモロが本意ではないようなことを本人もおっしゃておりました.私がいいトレモロだなと思ったのは最終曲の高音域での部分でした.伸びやかなマンドリンの上質な高音を味わえました.
きょうの彼女のステージドレスはいままでで一番素敵でした・・・と私は感じました.演奏ももちろん素敵でした.選曲にもより個性が出てきたように感じます.

2011年11月4日金曜日

副都心

きょうは休暇をとっていたので自動車免許証更新に都庁まで行ってきました.天気もまずまずだったので久しぶりに45階展望室まで上がりました.今回は南側です.大都市東京を一望できる素晴らしい眺望です.来年一般公開となるスカイツリーは2倍ほどの高さになるようですがどのようなパノラマになるのでしょうか.
損保や証券会社の高層ビル群

講習会まで時間が空いたので職員食堂で昼食を食べたのですが,いったい何人分の食事を作っているのかと思います.南北二つの展望室を有する第一庁舎と少し低めの第二庁舎合わせて相当な数の職員がこの巨大な建造物の中で,よりよき東京を目指し各々の業務をこなしているのだろうなと思いながら食堂の昼食をいただきました.

都庁第一庁舎の威容

私はこの庁舎を見上げるたびに,大理石で覆われた巨大な要塞のように思えてきます.数ある副都心の高層ビル群の中でもデザインも含め際立つ存在感があります.その箱物に負けないよう,公務員の方々はその能力を発揮して東京をしいては日本をより豊かな社会へ導いてほしいものだと物思いにふける晩秋でありました.

 眼下の新宿区の先は中野区.右遠方に中野サンプラザが見えます.

ユニークなデザインのモード学園コクーンタワー(50階)は2008年竣工


2011年11月2日水曜日

11月

霜月とはいえ,朝夕の通勤時はいまだネクタイをはずしたままでいます.会社ではクールビズが終わったと同時にウォームビズ宣言が発せられましたが,まったく実感の無い暖かさです.
週末の会社帰りには三越本店に寄り,地下にあるClubHrieの焼きたてバウムクーヘンを買うのが常となっています.今度の金曜日は休暇をとり四連休ですのできょうは週末みたいなものです.
三越玄関には早やクリスマスツリーが飾られていました.こちらもハロウィンが終わったと思えばもうX’masの飾り付け.消費者の購買意欲を高めようとするデパートの涙ぐましい努力の表れですね.でも不思議なものでなんとなく年の瀬を思い起こさせ,買い物をしておかなきゃって気にさせるのでしょう.テレビでも年賀状のCMが流れていて忙しない時期の到来を予感させます.
三越本店新館玄関前

バウムクーヘン専門店ClubHarie

2011年10月23日日曜日

マンドリンな一日(二日目)

絃楽器イグチで本場イタリア人によるマンドリンの公開レッスンが行われましたので出掛けてみました.講師マウロ・スクィッランテ氏はナポリ出身のマンドリン奏者であり,マンドリン属楽器に関する研究者でもあるとのこと.ビアンカの友人も受講するとのことで興味津津です.
本日の受講者は5名で,私は単なる聴講者の一人です.最初の受講者はマンドラによる夜想曲「星空」(R.Calace).知らない曲ですが親しみやすいいい曲のようです.
二人目の曲は「愛の唄」(C.Munier).ほとんど重音の無伴奏独奏曲で学生時代によく練習したものですが,なかなかきれいに弾けない難曲です.ソロコンでの課題曲にも取り上げられますね.この重音をどのようにきれいに聴かせるかということに神経を使いがちなのですが,講師は冒頭の主題の主旋律のみを“恋人に愛を語るがごとく”弾けといいます.こうしたところが一般の奏者の苦手なところかも知れません.テンポの変わり目も“恋人との間になにか変化が?”とか心情の動きを執拗に問います.技巧的なことよりもむしろ,その曲を弾くことにより聴き手になにを伝えたいのか,表現したいのかといったところを重視します.
三人目は女性マンドリン四重奏団で活躍中の奏者で曲は「Piccola Gavotta」(R.Calace).この曲も親しみやすい佳曲のひとつです.こんな曲をきれいに流れるように弾けたらいいなと思います.講師の指摘は2拍子の取り方,3回表れるフレーズのそれぞれの弾き方など具体的で参考になります.
四人目はビアンカ友人の「Polonese」(R.Calace).当曲もマンドリンソリストが好んで弾くピアノ伴奏付独奏曲です.友人の演奏はそれまでの奏者にくらべ明らかに音量が高めで,独特のエジルドサウンドを響かせていました.指導面は小指のリーチから始まり,ひたすら左手の構え方に終始しました.講師の印象として日本人の奏者のほとんどが左手の構え方がフレットに平行になっておらず,運指に問題があると指摘しておりました.
最終奏者は演奏家で指導者でもあるMさん.曲は「アリア第4番主題と変奏」(G.Leone)です.受講者自身も述べておりましたが,演奏技巧的にもかなりの無理を強いる難曲とのことです.さすがにMさんはほぼ完全に弾き切っていたように思いますが,講師からは入念な指導を受けておられました.指導者による指導者への講義はそれまでの内容と微妙に違うなと感じました.
5時間ほどのマンドリン講義でしたが,素人なりにも参考になる点がありました.人前で楽器を弾く時は,それにより何を聴き手に伝えるかを事前に整理した上で演奏に臨むことが大切とのことです.ごく当たり前のことなのですが,楽譜を読み込むことからですね.


2011年10月22日土曜日

マンドリンな一日

午後は早稲田大学MCOB会の演奏会に出向きました.ポイントは西条八十生誕120年記念作詞名曲が4曲,オリジナル曲ではローラ序曲,歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲はビアンカでやったばかり,2部ではベト7の全曲と意欲的なプログラムでした.
大隈講堂大講堂に入るのは娘が入学したばかりの頃で5~6年ぶりとなります.早稲田のMCも大変歴史があるようなのですが,その後の発展は慶応や中央の後塵を拝しているかのように思えます.本日の演奏を聴いてもいまひとつ印象に残るものがありません.関東の私大の雄としてスポーツだけでなくマンドリン音楽においても確固たる歴史を残してほしいものだと感じました.
大隈講堂
大講堂2階席より

さて,今夕はビアンカ20回記念演奏会のDVD鑑賞会が催されました.ビアンカに相応しくイタリアンバーでパスタやワインをいただきながら,記念演奏会の各シーンを振り返りつつ皆で感動をかみしめました.私などは新参者なのですが,参加できた偶然性と音楽の完成度の感動を再び味わうとともに,次回の演奏会への期待に胸を膨らませておりました.

各シーンごとに拍手,歓声が

 

2011年10月16日日曜日

整然の感動

体操世界選手権にて内村航平選手が個人総合3連覇を成し遂げました.ゆかや鉄棒演技の最後を決める着地の瞬間の感動はなんとも言えないものです.内村選手の着地は着地点に吸い込まれるような微動だにしないまさに整然の感動そのものです.
ライバルの中国では種目別で好成績をあげるスペシャリスト育成に注力しているようですが,内村選手は体操のオールラウンダーとして世界のトップを制しました.これは体操選手として2倍,3倍以上の価値ある名誉でしょう.しかも日本の体操はただ高難度わざを決めるだけでなく,その整然さにこだわり続けてきたといわれます.日本人の誇りの一端を22歳の若者が世界に示してくれました.

2011年10月12日水曜日

鈴虫君の運命

我が家に鈴虫君がやってきて1ヶ月余り.たしか雄雌5匹づつ虫籠にいたはずでしたが,ついに昨夜,雄が一匹もいなくなってしまいました.1匹の雄が鳴き始めやがて2匹,3匹と揃って鳴くようになり,鈴虫らしい音色を発しておりましたが,やがて次第に減り始め,このところは1匹で寂しく鳴いていました.そして昨夜,その最後の雄が雌に食べられていたのです.雌は結局4匹残りました.
鈴虫の飼い方を調べたところ,キュウリなどの野菜とともに削り節のような動物性の餌も必要とのことで欠かしていなかったのですが,次第に雄が雌に食べられていったようです.虫の世界とはいえ,厳しい現象を目の当たりにしました.
翻って人間はどうでしょうか.こと日本では男が一歩外へ出れば7人の敵に囲まれており,身を削りながらも稼ぎを家に持ち帰るもので,女は家で子供や家庭を守りつつ男の帰りを待つ.さすがに今日ではこのような化石的考え方は通りませんが,一時代の習わしであったことは事実でしょう.定年退職と同時に蝉の抜け殻のようになってしまう男を傍目に,女は女同士の交流を広め,その強靭さとしなやかさをもってして人生を楽しみ続ける術を修得する.人間も生き物の内のひとつに過ぎませんね.

2011年10月10日月曜日

国営昭和記念公園

マンドリンの練習では幾度となく立川まで行っているのに,東京都でも有数の広さを誇るこの公園には一度も訪れたことがありませんでした.丁度コスモスが満開というので花の丘に行ってみようと思い立ちました.

公園ほぼ中央にあるシンボルツリー
                                   「大ケヤキ」


園内移動に便利なパークトレイン

「花の丘」満開のコスモス



コスモスが咲くと秋を感じさせますね・・・







2011年10月8日土曜日

クラプトン波乱の人生

5日の晩に録画しておいたNHK「ギター神エリック・クラプトン波乱の人生インタビュー」を見ました.クラプトンの生い立ちから友人ジョージ・ハリスンとその妻パティとの関係,ビートルズとの「While My Guitar Gently Weeps」録音風景など貴重な録画が収録されておりました.先日夭逝したアップルのS.ジョブズ氏もそうですが,大衆の趣向をリードする人材は非凡な人生から生み出されるものかとの思いを強くしました.クラプトンは両親との離別後,祖父母に引き取られ育てられたとのことです.引きこもりがちな子供に祖父母が1台のギターを買い与えたことがその後のロックの神様と崇められるアーティストを生み出したきっかけとなるのです.その実力により名声を得たクラプトンは一時はドラッグ,またある時はアルコールにのめりこみ人生をふいにするところでしたが,間際のところで踏みとどまります.友人の妻への想いから生まれた「いとしのレイラ」,4歳の息子を事故で失った傷心の中で作曲した「Tears in Heaven」等,まさに波乱万丈の人生から生み出された作品といえます.凡人からは生まれ得ない魅力を醸し続けているアーティストのひとりです.

2011年10月7日金曜日

日本橋夜景

日本橋に夜の灯りが戻りました.

中央三井信託銀行の列柱





2011年10月6日木曜日

時代の寵児逝く

スティーブ・ジョブズが亡くなったというニュースを聞いて驚いた方は多いでしょう.21歳からコンピュータ企業を立ち上げマッキントッシュ,iマック,iポッド,iフォン,iパッドと世界的ヒット商品を次々と創生する天才は56歳という若さで逝ってしまいました.私などマックは扱えないのですが,通勤時にはiポッドから流れる音楽で癒されてまいりました.これらアップル製品はその機能とともにデザインが洗練されていてオシャレ感がありますね.これだけビッグになってしまったアップルの後継者はさぞかし大変な重荷を背負わされることになるでしょう.単なる経営マネジメントだけでなくイノベーティブな独創性をもって商品化する力があるかどうかが問われるからです.まさに天才薄命ですね.


2011年9月28日水曜日

試奏会

絃楽器イグチにてヴィンテージマンドリンフェアが開催されていますが,昨夕はその試奏会が催されました.演奏はかの井上泰信さん.オールドマンドリンの名器と名手によるなんとも贅沢なミニ演奏会です.
使用楽器と曲目は次の通りです.曲は全曲通しではなくハイライト部分を弾いていただきました.

カラーチェ:前奏曲第10番(R.カラーチェ)
ルイジ・エンベルガー:月と山姥(桑原康雄)だったかな?
ビナッチャ2品で曲目は覚えていません.
エンベルガー(マンドラ):アズ―ロ(丸本大悟)
カラーチェ(マンドリュート)クラシコA:前奏曲18番(R.カラーチェ)
カラーチェクラシコB:幻想曲二短調(中野二郎)か幻想曲「桜」(縄田政次)のどちらか
ビナッチャ“ブレベッタート”:アリア第4番主題と変奏(G.レオーネ) 等です.

この“ブレベッタート”とは特許品を意味する特別仕様の楽器で表面板に刻印があります.
しかもこの楽器は比留間絹子先生が若かりし頃愛用していた楽器で,展示棚には当時この楽器を手にしている比留間先生の写真が添えてありました.井上さんの弾く“ブレベッタート”からはまさに芯の通った高貴な音色が奏でられます.ふと先程の写真に目をやると今にも比留間先生が弾いているかのような錯覚を覚えました.
代表的なオールドマンドリン達の音色の違いを井口さんの明快な解説とともに名手井上さんによって浮かびあがらせていただき,とても気分が高ぶりました.

2011年9月25日日曜日

総会

BF総会が開催されました.感動の第20回記念演奏会終了後,2ヶ月弱の休息期間がありましたが,こうして再びメンバーが集い,新役員が承認され,来年のスケジュールや演奏候補曲が具体的に示されると新たな演奏会へ向けての胎動を感じます.
20回という節目を経てBFファンを増やした結果,演奏会場と客の収容人数の問題が顕在化してきたようです.集客で頭を痛めるマンドリン団体が多い中,贅沢な悩みかも知れません.曲目については新たなチャレンジが検討されています.11月より練習開始となりますが,団員の皆さんとの音出しが楽しみです.
きょうは20回演奏会のDVDも配布されましたので,帰宅して早速見ました.当日の感動が甦ってくるのと同時に,客席から生の演奏を聴いてみたかったという実現不可能な思いにかられました.

ヴィンテージマンドリン

絃楽器イグチで恒例のヴィンテージマンドリンフェアが開催されるというので初日の午前中から行ってきました.予想した通りお客さんはまだおりませんでしたのでゆっくり見て回れました.今回は台数も多く揃っているようで,ビナッチャやエンベルガー,カラーチェの往年の名器がずらっと並ぶ景色は壮観です.私もオールドを1台は欲しいのですが,カミさんの許可がなかなかおりそうにありません.今はじっくりながめて楽器の特徴を知っておくことにします.
他のお客さんもいないこともあって,井口さんからはビナッチャ家の系図や弟子の作品のことなどいろいろ教えていただきとても参考になりました.さてさてオールドマンドリンを手にするのはいつになることやら.




2011年9月18日日曜日

マンドリンの夕べin静岡

第37回静岡マンドリン愛好会定期演奏会を聴きに行ってまいりました.会場は静岡駅前の静岡音楽館AOI.なかなか響きの良いホールで私が参加していた22回,23回の時も同ホールでした.

HPではメンバーが50名を数えるとあったのですが,本日の出演者数は38名プラス賛助3名とちと寂しい感じです.諸事情で休部中のメンバーが何人かいるのはどこのクラブも同様ですね.
一部はクラシックからモーツァルト「魔笛」,チャイコフスキー「アンダンテ・カンタービレ」,ポンキエルリ「時の踊り」.いずれもまずまずの出来でした.モーツァルトの曲はメロディも美しく,簡単そうに思えるのですが,実はマンドリンでそれらしく演奏するのは難しいように思います.チャイコはアンサンブルがきれいに聴こえました.「時の踊り」は薫ネーサンの指揮による演奏でした.初めて後ろ姿を拝見しましたが,落ち着いたリズムで奏者にも解りやすい指揮者ぶりでした.マンドリンオケでも一部管楽器を使用することが多い曲ですが,本日の演奏は管無しで上手くまとめあげていました.
二部は邦人作品から「じょんがら節」(桑原康雄),「本朝昔噺絵本」(中野二郎),「2つのマンドリンのための『荒城の月』変奏曲」(服部正)の3曲.3曲目の二人のソリストは1stMから現役大学生の女性2名が弾きました.若々しくはつらつとした演奏に好感が持てます.
三部はイタリアオリジナル曲がアマディ「降誕祭の夜」,ボルツォーニ「序曲 神の御心のままに」の2曲.アマディは弾いたことがあるので懐かしく聴いておりました.ボルツォーニは本来吹奏楽のための作品ですが,マンドリンオケ用に編曲されたもので,ドラマティックな展開を繰り返す迫力ある曲でした.
久しぶりに聴く愛好会の演奏は奏者の若返りがそのまま反映した感じでした.2名の指揮者も初々しく好感が持たれるものです.これは裏を返せば,大人としてのしっとり感がもう少し欲しいといったところが正直な印象です.特に演奏会の印象を左右する司会者の話し方,進め方は一考を要するかなと思いました.
今年は3月の震災発生により楽団員の心理的影響や運営方針変更等,各楽団に少なからず影響を与えたことでしょう.そうした中で各楽団はそれぞれが震災に向き合い,演奏会開催へとつなげていったのだろうと思います.愛好会は今夕の演奏会に,福島県から静岡へ避難してきた被災者数人を招待していたとのことです.プログラムでは二部を“かけがえのない日本”をテーマにしたとあります.私は三部は“神への祈り”をテーマとして選曲がなされたように感じました.私が14年前,愛好会を退会したのは福島県への転勤のためでした.三部の曲を聴きながら,演奏者の思い,福島の友人の苦悩等が頭の中を巡っておりました.
さて,演奏終了後は恒例の打上会です.私もOBとして参加させていただきました.休部中のメンバーも打上には出てくれ,旧交を温めることができました.数年後には再び愛好会で弾くことになるのかなと思いつつ,楽しい夕べを過ごすことができました.




2011年9月17日土曜日

明日は愛好会

残暑厳しい今週も早や週末を迎えました.会社帰りの日本橋夜景をひとつ.


さて,明日は本当に久しぶりに静岡マンドリン愛好会演奏会を聴きに行く予定です.今回が第37回で私が参加していたのは22回,23回ですのでかれこれ15年ほど前のことになります.当時のプログラムを見ると「序曲二短調」,「夏の庭」,「港の見える風景」,「麗しきイタリア」,「挽歌」,「マンドリン芸術」,「レナータ」,「歴史的序曲第2番」,「田園写景」,「メリアの平原にて」等のイタリアオリジナル曲や本邦作品に加えて中野薫ネーサン編曲のカーペンターズ特集やディズニー映画音楽,ルロイ・アンダーソン特集等を演奏しておりました.いやー懐かしい!いまではメンバーも50名を数えるまでに発展しているようですが,22回の時は1stMが5名しかいませんでしたし,ギターはなんとたった2名です.隔世の感がありますね.当時からのメンバーも数人は残っているようですが,このところの増員は若手中心で愛好会もずいぶん若返った感じがします.これも薫ネーサンによる長年の高校生指導の賜でしょう.明日の演奏では若返った愛好会の演奏とネーサンの指揮ぶりが楽しみです.
丁度,きょう季刊誌「奏でる!Mandolin」が届いていましたので,明日の静岡への移動中はこれで時間がつぶせます.

2011年9月11日日曜日

9.11復活

朝からマーラー交響曲第2番ハ短調「復活」を聴き始めました.これから80分ほど作品との対峙になります.1番ニ長調「巨人」と相前後して作曲された作品であり,似たようなモチーフが随所に流れてきます.絶望感や厭世感はまさにマーラー独自の世界です・・・ふと訪れる甘美なメロディーや平穏なハーモニー,鳥の声を模した楽器の駆使などもいかにもマーラーらしい.
終楽章ではコーラスが加わり,時折アルトやソプラノが絡みます.「復活」賛歌の挿入により曲はより最終局面への明示となります.最後は管弦楽にオルガンも加え,「復活」動機が壮大に謳いあげられ全曲を終えます.
なんとも長大な曲であり,いざ聴こうとなるとそれなりの気の持ちようが欠かせません.辺りを整え,スピーカーの中央正面に座して聴きました.コンサートホールのベストポジションで鑑賞するが如くです.
曲が終わり,ふとベランダに目をやればいつの間にか陽光が差し込んできていました.午後はマンドリンクラブの合奏練習に出掛けるつもりです.穏やかな休日に楽器を弾くことができることへの感謝は忘れてはなりませんね.

2011年9月10日土曜日

9.11

明日は東日本大震災3.11から半年になります.奇しくもNYでの同時多発テロ発生9.11から丁度10年を数えます.なにゆえに自然はかくも厳しい試練をつましい営みの人々に与え給うのか,地球上の人類はいつまで互いを憎しみ殺し合うのか,あまりの不条理に苛まれます.
そんなときでも私は一人,ビートルズを聴きながらウィスキーをちびちび飲んでいます.あまりの非力に情けなさが襲いますが,つかの間の楽しげな音楽に身を任せています.平和を追い求め続けたジョンレノンが凶弾に倒れたことをふと思い浮かべながら.
被災者の苦悩やテロ犠牲者家族の悔しさはマスコミ,メディアが伝える画像や音声でしか分かりません.同じ思いを共有するにしても,余りに現実とかけ離れた惨状を見るにつけ,途方に暮れるしかないように感じます.
日本は3.11を境に今後の国の有り様を正しく導くことができるのでしょうか.かの米国が9.11以降辿った道筋は世界正義を貫いたのでしょうか.詳しくは理解していませんが,キリスト教もイスラム教も聖地エルサレムは共通ではなかったのか.宗教には疎く,誤解があってはいけませんので多くは語りませんが,偏った宗教国でない日本生まれを幸いに思います.どれほど自然災害に見舞われる恐れがある国であろうとも.

2011年9月8日木曜日

日本橋クルーズ

毎日渡っている日本橋の南橋詰に船着き場ができたのは今年の始め頃だったと思います.今年は日本橋が現在の石造二連アーチ橋となって丁度100周年を迎えるとのことで,様々な行事が予定されていたようです.この船着き場もその一環でしょう.ところが3月の大震災でこれら行事は頓挫.寂しい100周年になってしまった気がします.
昼間の日本橋


南橋詰の船着き場


初夏の頃からか船着き場に小型遊覧船を目にするようになりました.乗船客の行列もあり,これらはとうに予約している人達だけが乗れるんだろうなと横目で通り過ぎていました.今夕も遊覧船の出航があるようです.日本橋の中ほどまで歩いていくと,マイクで乗船の呼びかけをしている人がいましたので尋ねてみると,あと10分後に出るがまだ乗船できますとのこと.こりゃ乗らない手はないと思い,千円を支払い45分間の日本橋クルーズに乗船してしまいました.微風をかすかに感じる夕涼みにはほどよい時間帯でした.クルーズ船は40人ほどの客を乗せて日本橋川を下り,やがて隅田川に合流.豊洲の高層ビル群を横に見て再び日本橋川に戻りました.3年前に隅田川クルーズで屋形船に乗って以来,久しぶりの都会での乗船体験でした.

日本橋の下から

日本橋クルーズ船

2011年9月4日日曜日

鈴虫君

一週間ほど前,カミさんが日光へ行った折に,鈴虫が数匹入った虫籠を買ってきました.体長がまだ1センチほどの小さいものばかりで,鳴くはずの雄がいるのやら・・・
飼い方はわからないのですが,キュウリの一切れを入れておきました.昨日の夜明け頃,初めて鈴虫が鳴きました.例のリーン,リーンという鈴の音とは少し違った音色です.まだ鳴き始めなのでしっかりした鳴き方ができないのかな.よく見ると型の大きな雄が2匹いました.なんとなく可愛く思えてきました.しっかりした鳴きが聞けるまで元気に育ってほしいものです.

コオロギ cricket  コロコロリー
鈴虫 bell cricket  リーンリーン
松虫 pine cricket  チンチロリン

そろぞれに情緒がありますが,私はエンマコオロギの鳴き声が特に好きです.
まだ蒸し暑い日が続きますが,秋は確実に近づいています.

2011年8月28日日曜日

バッカス20年目の夜

かつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホールにてバッカス第21回定期演奏会が開催されました.
昨年は第20回記念でたいそう盛り上がった印象があります.たしか,パストラルファンタジーや舞踊風組曲第1番,しめは新世界の全楽章.さすが若い奏者揃いだからこそ成し得たプログラムなのだろうななどと感心していたものです.中間のアトラクションステージも文句無しに楽しめました.全体を通してバイタリティ溢れるまさに観客を満足させるステージでした.対して今年は・・・
回数としては21回ですが年数としては20周年となる訳で,Anniversary!と名打っておりました.目玉はマリオネットとの共演です.マンドリンと関わる者にとってマリオネットを知らない者はまずおりませんし,演奏会プログラムでもその作品がフィーチャーされる機会が多い人気グループです.バッカスとマリオネットとの共演も何回か行われているようで,お互いにこなれていたステージかと思います.で,私なりのバッカス20周年記念演奏会の印象総括としては今一つ物足りない・・・です.
今回の演奏会で気になった細かい点は,全休止で音が残る(特にパーカッション),ギターの主旋律でのミスタッチ,休止部分での譜めくり音等です.昨年は入魂の度合いというか,全体としてのパワフルさにより細かなミスは気になりませんでした.今回は選曲や編曲も影響したかもしれませんが細かなミスが気になりました.
スペシャルゲストというのは記念イベントには有効ですが,本来の特色を出す演奏にはプラスになるとは限りません.バッカスの記念演奏はやはり昨年で燃え尽きたと思われます.今回はマリオネットのステージに意識し過ぎたのではと勝手に想像いたします.
バッカスは若手奏者が多く,それを束ねるMさんはその人柄と豊富な音楽知識を兼ね備えた優れた指揮者だろうと推察いたします.今後とも楽団としての特性をより発揮し,パワフルなステージを期待しているものです.

2011年8月21日日曜日

鈴木静一展

東京オペラシティコンサートホールにて鈴木静一展が開催されました.
当ホールは1632席ありますが,7割(1000人強)ほどの入りだったかと思います.演奏者は全国から集まった鈴木静一ファン139名です.
現在ではマンドリン演奏会にて単一の作曲家のみのプログラムはそうそうありません.もともと楽曲数自体が限られていますので,かような企画はもうしばらくは無いでしょう.私はたまたま今年新たな団体に入団したばかりでしたので,イレギュラーな企画に参加できるような余裕はありませんでした.が,きょうの演奏を聴き,演奏者としてステージに同席したかった思いは残ります.トリの「失われた都」は大合奏だからこそ成し得る音楽表現がありました.まさにビアンカ20周年記念演奏会でのアンコール曲「メリアの平原にて」のごとく,弾きたい曲にひたすら入魂の演奏をする気持ちが奏者の姿に表れていました.指揮者の小穴雄一さんもその思いは同じだったのではと思います.たしかに奏者とすれば打点の捉えにくい指揮だったかも知れません.しかし,その指揮は好きな曲を演奏できる歓びに満ち溢れていたように私には感じました.いわんやステージ上の奏者は全員が好きな曲を演奏できる楽しさを共有し,その歓びが溢れんばかりの演奏を客席に届けてくれたと思います.限られた練習だっただけに細かいつめの甘さはあったものの,演奏会の本来の趣旨に則ったその成果は,あらためて鈴木静一作品の評価を見直す良い機会を与えてくれたのではないかと思います.