2013年7月29日月曜日

マンドリンな一日2013(その2)

いよいよBF第22回定演その日がやってまいりました.
このところの天候は不順続きで,特に昨日は東京の一大イベントである隅田川花火大会が予定通り始まったのですが,途中からの激しい雷雨の襲来は大会初の中止をもたらしました.浴衣姿で繰り出した多くの若者達がずぶ濡れになってしまい可哀そうでした.そういえば昨日の練習帰りのビールは1本で留めておいてよかった.2本目にいっていたら雷雨に遭遇でしたね.オヤジの感も時には当たるもんだ.本日はなんとか晴天がもってくれればよいのですが.
見慣れた第一生命ホールまでの景色をじっくり眺めながら,会場に着けばすでにメンバーの大半が集まっています.みんなやる気満々ってとこですね.
午前中のリハーサルは落ち着いて弾くことができました.なんとなく本番も落ち着いていけそうな気分です.やはり昨日のビールは1本で良かった!
チューニング部屋にはマンドリンのオールド名器がずらりと並びまさに圧巻です.総額いくらになるのといった囁きが漏れるのも毎度のことです.
客の入りはまずまずの様子.14:00いよいよ本番スタートです.
1部1曲目の「“交響譚詩”より第一譚詩」(伊福部昭)はギター名手であった作曲者の兄へ捧げた曲で,第一譚詩は元気に遊びまわった子供時代の思い出とあります.エネルギッシュな曲でのスタートは気分が楽です.リハよりテンポが落ち着いて気持ちよく弾けました.
2曲目は「彷徨える霊」(U.ボッタキアリ)です.解説文にもあるように夢幻的な着想で書かれた当曲は高揚するロマンの薫りに溢れます.まさにボッタキアリの世界です.
3曲目が難関その1の「組曲“追憶”」(G.D.ミケーリ)です.15の管弦楽のための小組曲中,6番目にあたる曲で,早世した息子の追憶として書かれたようです.曲はまことに詩的でメロディーも実に魅力的なのですが,超高音をきれいに聴かせることの難しさや,速めのパッセージでの独特のリズム感など技巧的にも難度が高く,確かな技量が求められます.しかも高音パートからローネ,コントラバスに至るまで全パートに渡り同パッセージが繰り返されていくというタフな曲です.全パートともこの曲には相当な練習量を費やしたことでしょう.自分としては弾けない部分は別として落ち着いて曲を楽しめました.合奏としても本番が最上の出来だったように思います.
2部は「“弦楽のための交響曲第8番ニ長調”より第1楽章」(F.メンデルスゾーン)からです.D-durですので弾きやすく,気持ちの良い曲ですが,16分音符のスケール部分などではついつい力んで弾いてしまい,結果として走り気味となります.リハでは指揮者からとにかく走らないよう,落ち着いて品のある演奏をしようと注意が促されました.本番でもそんな演奏が出来たように思います.
2曲目は「“チェロ協奏曲第1番ハ長調”より第1楽章」(F.J.ハイドン).独奏はチェロパートの女性Sさんがリュートモデルノを使用し演奏しました.コンチェルトは演奏会での花形のプログラムとなりますが,独奏者にしてみればそれは大変なプレッシャーとの戦いとなります.これまでの合奏練習経過からすれば,不安を残したまま本番を迎えたのが正直なところでしょう.しかし本番ではこれまでで一番の演奏を披露してくれました.彼女が最後のカデンツァを弾き終えたとき私は涙腺が緩みました.本当に立派にソリストとしての役目を果たしました.後の打ち上げ会で彼女に伺ったのですが,当曲がプログラムとして決まった頃,私は録画してあった「小澤征爾さんと音楽で語った日~チェリスト・宮田大・25歳~」のブルーレイディスクを彼女にあげました.まさにこの曲を巡ってのドキュメントが内容でしたので,練習に役立つかと思い用意したものですが,大変参考になったと言ってくれました.少しはお役に立てたことが嬉しかったですね.
そして最後は「序曲“サウル王の悲劇”」(G.ボルツォーニ).難関その2です.とりたてて難しい音使いがある訳でもなく,突飛なリズムもありませんが,アレグロからのダウンピッキングがその速さについていけないのが厄介な課題でした.若手奏者にしてみれば難無くこなせるのかもしれませんが,私には少々きつかったですね.それとアレグロでのシンコペもついていけませんでした.重厚で暗くドラマチックな曲想としては,こうしたアレグロ部分をきっちり弾くことが対比させる上でも必要となる訳で,私としてはちと情けなさが残りました.ま,なんとか破綻無く最後まで弾くことはできました.
アンコールは昨日のコンクール課題曲「序曲“小英雄”」(G.マネンテ).打楽器を加えてのアンコールバージョンです.BFお得意のイタオリで気分良く弾きまくり,ばっちり締めます.
最後の最後は本演奏会のテーマにもつながる,東日本大震災被害者への祈りを込め「花は咲く」で幕となりました.歌唱メンバーの方々お疲れ様でした!
さてさて,晴天は最後までもってくれたようです.よかった,よかった.

マンドリンな一日2013(その1)

第2回全日本マンドリン合奏コンクールが昨年と同会場である昭和女子大学人見記念講堂にて開催されました.
2回目ともなれば前回以上の盛り上がりが欲しいところですが,最終本選に出場を果たしたのは社会人2団体,学生4団体と大変寂しい状況での開催になりました.折角,日本のマンドリン界を代表する審査員を一堂にそろえているのに残念なことです.それと今回はコンクール翌日がBF定演と極めてタイトなスケジュールに追われましたので,BFメンバーとしてはコンクールに参加はしたものの,他団体の演奏を聴く間も無く,そそくさと練習場の東京芸術劇場へ移動しなければなりませんでした.本来であれば,他団体の演奏を鑑賞した上で審査結果を待つのがコンクールの楽しみなのですが,それが叶わず消化不良でした.大きなイベントを行う上での日程,会場確保はなかなか都合良くはいかないものですね.
来年の第3回も日程,会場が決まっていますが,とにかくエントリーが増え,新しい団体の出場を期待するばかりです.
それにしてもステージには魔物が棲むといいますが,普段ではやらないミスをやってしまうものです.ことにこの会場は周りの音が聴き取りにくいので,今回は席を詰め気味に座ったのですが,2拍ほど早めに音を出してしまったりして周りに迷惑をかけてしまいました.個人練習が足りないといえばそれまでですが,まさかあんなミスをしてしまうとは...いささか落胆しながら控え室に戻って来たのですが,聞けば他のメンバーも緊張感によるミスをいくつかしでかしているようでした.
練習終盤頃にコンクール会場から連絡が入り,BFは昨年と同じ「銀賞」とのこと.しかも「金賞」はこれまた昨年同様,西遠女子学園のみでした.メンバーからは溜息やら苦笑いが漏れましたが,すぐさま「BFの良さはライブ感だ!」とのことに.「金賞」は学生さんにお譲りするのが大人の団体ってもんです.とにかく明日のライブを精一杯頑張ろう!と17:00までの練習をきっちりやりました.帰り道ではほんのちょっとだけビールで乾いた喉を潤し,早めに帰宅して明日の準備にとりかかりました.

2013年7月25日木曜日

泣いても笑っても

いよいよBF定演まで残すところ3日間のみとなってしまいました.
今回はⅠ部にミケーリの技巧的難曲,Ⅱ部にはボルツォーニの体力的難曲の2峰が立ちはだかり,ついに乗り越えることができないまま本番当日を迎えてしまいそうです.
他にもエネルギッシュなオープニング曲や魂のポッタキアリなど脱力し難い曲が続き,気力,体力の持続が求められます.後半のメンデルスゾーン,ハイドンではできるだけ脱力した演奏を心掛けようと思います.
それにしても険しい2峰です.挑戦できただけでもBFメンバーとしての喜びとせねばなりません.