2015年10月14日水曜日

第10回ARTE国際マンドリンフェスティバル&コンクール

10月10日(土)~11日(日)の2日間にわたり標記のイベントが開催されました.従来は大阪での開催でしたので行ったことがなかったのですが,今回は初めての東京開催とのことですし,審査員やゲストも豪華な顔ぶれで,これは行かなくちゃ!と楽しみにしていた催しです.会場は代々木公園近くの白寿ホールです. 1日目はマンドリン四重奏部門本選からスタートです.5グループによる演奏でしたが,1位は断トツで「マンドリンカルテットフェリス」でした.これは素人でも分かりやすかったですね.どのグループも勿論上手いのですが,フェリスの演奏は音の出だしから高質な音楽の始まりを予見させました.4人の奏者により奏でられるマンドリンの音質,音量,テンポ,揺らぎ等が見事に融合し,一つの音楽の世界を創り上げていくのが明らかに観客に伝わりました.音楽の感動とはまさにこうしたことなんだなと感じ入りました.演奏後にチェロの小林さんからどうだったかと尋ねられましたので,他のグループと違い,チェロの音量が抑え気味にコントロールできていたのが良かったと感想を述べたところ,事前の練習でもっとも考慮したポイントだったとのことです. 四重奏本選が終了すると一旦,観客は会場から出されます.小1時間ほどの休憩後,5人がエントリーするマンドリン独奏部門の予選が始まります.課題曲の「In Sans-serif」(壺井一歩)は多種の奏法を組み込んだ現代風作品ですが,これをいかに音楽として聴かせるかが,奏者の技量とセンスの見せどころとなります.自由曲は各奏者がもっとも得意な曲を選んでおりますので上手いのは当たり前なのですが,やはり課題曲で差が出ます.音を鳴らすのに精一杯で音楽になっていない奏者も見られました.そうした中,印象に残るのは間宮さんとドイツ人のベロニカさんとミリアムさんのお二人でした.とりわけ,ドイツマンドリンの独特の音色はイタリア系,日本系の煌びやかさとは異なるもので,バロック風のまろやかな世界が広がります.この音色の違いは課題曲はともかく,自由曲の選曲には考慮が必要かもしれません. 独奏部門予選終了後は再び一旦,休憩となり夜の部は審査結果発表からです.四重奏本選,独奏予選とも予想通りの結果でした.翌日の独奏本選も大いに楽しみです. さて,コンクール終了後は審査員を含めた豪華ゲストによる演奏会です.1夜目は審査員として招かれているクラウディオ・マンドニコさんの作品を集めたコンサート「クラウディオ・マンドニコの世界」です.石村隆行さんのマンドリンと井上泰信さんのマンドラによるデュオから始まり,枡川千明さんのマンドリン無伴奏独奏,そしてその夜のコンサートのために結成された豪華メンバーによるマンドリンオケとマンドニコさんの指揮により4作品が演奏されました.中では「チェチリアーナ」が印象に残り,演奏してみたいと思った作品でした.マンドニコさんは交通事故により両足を骨折し,治ったばかりとのことで,杖をつきながら,指揮台に登場しましたが,最後まで無事振りきられました.マンドリン界の著名な作曲家による指揮と一流の奏者達による一夜限りのコンサートにより,まことに贅沢な秋の夜長を満喫することが出来ました. コンサート終了後は久々にビアンカの連中と居酒屋で酒を酌み交わしました.銘柄に魅かれついつい飲んでしまいましたが,明日に残らないか,ちょっとばかり心配です.

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