2014年3月5日水曜日

チューニング

演奏前の楽器の音合わせをチューニングといいますが,これにならい,大学が連携して教育の調子を合わせる「チューニング」の概念がヨーロッパから広がり,注目されているようです.さすがに国々が隣接している欧州は通貨をも共通化してしまいましたが,その国々の独自性は文化,教育に資するところ大でありましょう.このチューニングはけっして教育の単一化や共通化が目的ではなく,各国大学相互のつながりを持つことにより,国際性や多様性のある人材を育てるイメージとのことです.大切なこととして「コンピテンス」認識の共有をあげています.コンピテンスとは企業内でも盛んに取り上げられる「その分野での強み」のことです. さて,本来の楽器のチューニングに話を戻しますと,音合わせは演奏を始めるにあたっての基本中の基本です.これは演奏本番であろうと,練習時であろうと同じことです.私は転勤族でしたので,様々な地域のマンドリン演奏団体に所属経験がありますが,チューニングに対する意識の違いはそのままその演奏団体の演奏レベルに表れます.練習の合間の休憩時間には必ず自分の楽器のチューニングを施す団体があれば,おやつの菓子をほうばりながら雑談で終始してしまう団体もあります.演奏前に音だけは合わせておくことは合奏に加わる者としてのエチケットでもありますよね. それと先ほどのコンピテンスに関してですが,これもやはり所属団体のメンバーとしては認識しておくべきものだと思います.つまり自分の所属する演奏団体の持つ強みは何かをメンバー同士が共有することです.さすれば,練習に臨む意識も高まりますでしょうし,マンネリ感を払拭し,団体の継続性もより強まるでしょう.楽器の音程とメンバーの意識をともにチューニングすること.けっして個々のオリジナリティを抑えるものではなく,演奏に対する知識や技術を共有しあい,結果として所属団体のコンピテンス向上につながる.こんな演奏団体で活動できたらさぞかし素晴らしいことでしょう.

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