2019年7月22日月曜日

2019年7月15日 ビアンカ定演

第28回定期演奏会は例年同様,トリトンスクエアにある第一生命ホールにて開催されました.昨年は同時期の開催でしたが,猛暑の中行われた文字通りの熱演でした.今年は梅雨寒が続いており,はっきりしない天候の中での開催でしたが,会場は熱心なビアンカファンで埋まりました.

第一部はイタオリの名曲を集めた耳に馴染みのステージでした.1曲目の「過去への尊敬」(フォクト)は大学1年時にドラで弾いた思い出深い曲です.序盤のテンポの速さに驚きましたが,迫力ある低音陣の刻みが心地良かったです.2曲目の「交響的前奏曲」(ボッタッキアーリ)は何度か演奏したことのある名曲中の名曲です.出だしの1音が私の鼓膜に到達するやいなや,私の涙腺は緩み始めていました.これだけ遅めのテンポで流れていくのに緊張感が途切れることなく,壮大な曲の構造を描き切った感動の名演でした.4曲目の「序曲ニ短調」(ファルボ)は大学3年時,そしてビアンカ在籍時にも演奏した,これまたイタオリ珠玉の名曲です.一般的にマンドリン合奏にて演奏される本曲は,原点となる管弦楽版の1/3をカットした編曲版がほとんどなのですが,今回はカットせずにマンドリン合奏用に石村隆行氏が編曲,整曲した版にて演奏されました.聴きなれない部分が多く若干の違和感を覚えましたが,これが本来の曲の姿なのだと思うと不思議でもあり,貴重な演奏を聴かせていただきました.

2部では2曲目の「パッサカリア」(バッハ,編曲:菅原明朗)が重厚で印象に残りました.バッハ音楽の深淵さが伝わってまいりました.奏者の方は演奏するのにさぞかし疲れたことだと思いますが.最後の「劇付随音楽“皇帝ボリス”より序曲」(カリンニコフ)は石村隆行氏編曲で本人の指揮による演奏でした.ロシア音楽らしく堂々とした大曲でしたが,石村氏の指揮もその豪壮さを存分に導き出す名演でした.このラストの曲にたどり着くまでに,ビアンカの奏者はかなりのエネルギーを消耗しているのではないかと心配しておりましたが,杞憂に過ぎませんでした.圧倒的なフォルテッシモ!ローネ4本,コントラバス4本による重厚な低音!正確な打楽器陣!感動の締めくくりでした.

終演後の打上げにも参加し,感動を共有させていただきました.ビアンカの休会会員となって6年となりますが,ベテラン連中が頑張っている姿を見るにつけ,30回記念演奏会には奏者として共に感動を味わいたいなと思いつつ会場を後にしました.

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