2012年8月4日土曜日

ソロコン関東地区予選

またソロコンの夏が巡ってまいりました.とはいっても私は単に聴かせていただくだけですが.とても自分では手も出せないような難曲を若手奏者が果敢に挑戦してくる姿を見ているだけで,私も下手ながらも頑張らなきゃって気にさせてくれます.
関東予選では9名の挑戦者がそれぞれの演奏を競い合いました.今回の課題曲はポロネーズ(R.カラーチェ)とプレリュード(G.ミラネージ)の2曲で,自由曲と組み合わせて15~20分間で演奏構成をすることとなります.この場に立つだけで高度な演奏技量を持ち合わせることは勿論ですが,10月大阪で行われる本選への出場に向け,相応しい音楽性も同時に問われることとなります.
休憩を挟み3組づつ演奏が行われました.知り合いのTさんは2組目の2番目.同組の1番目は優勝候補筆頭のAさんでしたのでやりにくかったかもしれません.そのAさんですが,中学生として出場した前回に比べ明らかに成長の跡が伺えます.前回は確かにテクニカルは正確無比だったのですが,表情の起伏がいまひとつと感じました.今回は表現力に磨きがかかり,赤茶色のオチアイは高音がよく伸びていました.今年の本選でもやはり筆頭の奏者でしょう.Tさんは課題曲の2曲を実に丁寧に演奏し,ミスタッチも少なく表情豊かな演奏には感動しました.自由曲のマンドリン協奏曲第2番第1楽章はもっとも好きな独奏曲の一つで,私はまったく弾けませんが,その弾むリズムと繊細なメロディー,ドラマティックな盛り上がり等々カラーチェの最高傑作だと思います.この曲の持つスケール観を丁寧に表現していただけました.今回の予選ではこの曲を自由曲として4名が取り上げており,その聴き比べも大いに楽しめました.
予選評価結果はほぼ私の予想点数通りとなりました.Aさんを筆頭にTさんも無事通過し二次予選に推薦されました.最後に審査員の國土氏のコメントを・・・「マンドリンを弾くとは?第一に楽譜を読み取ること.第二に楽器を扱うということ.本日出場のほとんどの方がブラインドタッチができていない.手元を見ると耳が利かなくなる.目隠しをして弾いてみることをお勧めします」とのことです.優れた演奏者になるのは並大抵のことではありません.

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