2024年5月27日月曜日

県知事選挙

川勝前知事の辞職にともなう静岡県知事選挙は昨日の投開票の結果,前浜松市長の鈴木康友氏が勝利を収めました.立憲民主党が推す鈴木氏と自民党推薦で元副知事の大村氏との事実上の争いとなり,国政での与野党対決の構図となりました.県西部の浜松地区で圧倒的に強い鈴木氏に対し,静岡市出身の大村氏は官民ともに太いパイプを持つ静岡高校OBのバックアップを受け,知名度の点で有利な鈴木氏に迫る勢いを見せました.東部でも大村氏がリードを保ち,選挙結果は最終までもつれましたが,ふたを開ければ鈴木氏が7万票余りの差をつけて当選を果たしました.

私自身はすでに期日前投票を済ませ,昨日は選挙情勢を見守るばかりでしたが,鈴木氏の当選にまずは胸をなでおろしたところです.鈴木氏はリニア推進の立場を表明してはおりましたが,大井川の水の問題や環境保護の課題を解決したうえでの推進であり,川勝前知事の意向にある程度沿ったものであると考えられます.一方の大村氏もあらゆる問題を解決したうえでの推進について1年以内に決着を図るとの考えでした.リニアの争点に大きな影響を与えたのは岐阜県における水枯れの件でした.JR東海はこうした事実をしばらく伏せておき,川勝前知事の辞職後に報道するといった姑息なやり方をとりました.こうした経緯は大井川下流地域の住民に一層の不安をかきたて,大村氏も選挙公約を一部変更せざるを得ないこととなりました.大村氏自身は報道で見るかぎり,誠実で真摯な態度など好感を持ちますが,自民党の推薦を受けたことが一番の敗因であったと思います.国政に見られる自民党の腐敗ぶりや,静岡県における自民党議員の不正行為などマイナス面ばかりが目につきました.

これまで静岡県を独自の手法で盛り上げてきた川勝氏にしてみれば,鈴木氏の当選にまずは県民の意思をくんでいただけたのではないかと思います.私自身も今回の選挙結果は静岡県民としての矜持を示したものと捉えています.

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