2022年5月16日月曜日

ジェネリック薬

本日のクロ現は「いつもの薬がない!?薬不足の真相は」でした.後発品メーカーの製造上の不正行為による業務停止命令処分の影響が大としていましたが,根本はなぜそうした不正行為が長年行われてきたのかをもう一歩踏み込んでいただきたかったですね.単純にメーカーだけの責任ではなく,何年までにジェネリック医薬品使用を何割にするといった政府方針の強烈な圧力が,製造能力の不十分な後発品メーカーにのしかかり,不正行為の発生原因となったことは明らかです.確かに高齢化が急速に進む我国では医療費抑制策の検討は喫緊の課題ではありますが,根本的な解決策を検討することなく,手を付けやすい医薬品に目を付け,やみくもに安価なジェネリック薬への切り替えという安易な方法をとりました.資源の無い我国では知識集約型産業の一つである医薬品業界への期待は大きかったはずですが,ジェネリック主導策は新薬メーカーの開発意欲を削ぐものであり,我国の新薬の開発力は大きく後退してしまうこととなります.新型コロナ感染に対するワクチン,治療薬の貧弱な現状はその一端を示しているのではないでしょうか.急速な高齢化,人口減少といった我国が抱える問題をその場しのぎで見過ごす時間はもうないのです.我国を率いる為政者にはジェネリックではなく,真に新しい発想をできる人材が求められています.

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