2015年3月12日木曜日

マンドリン門下生発表会

先週末は東京代々木にて開催された井上泰信さんのマンドリン門下生による発表会を聴きに行ってまいりました.プログラムには難曲が並び,奏者のうち何人かは知人です.ヒビキさんは「マンドリン協奏曲ニ長調より第1・2楽章」(ラニエリ)に挑戦されましたが,汗をかきながらの熱演に感動しました.スマちゃんは「アルペジォーネソナタより第1楽章」(シューベルト),「華麗なるポロネーズ第2番」(ヴィニャフスキー)の2曲.ソロコン自由曲でも聴かれる難曲ですが,エンベルガー・コンサートモデルの高音域を存分に響かせた好演でした.若い女性が弾く「第2幻想曲」(中野二郎)も丁寧な演奏で好感が持てました.門下生最後はマンドロンチェロ名手のカオルさん.この日はカラーチェのマンドリュートを携え「マンドリンとリュートの為の大二重奏曲」(カラーチェ)を講師の井上さんのマンドリンとともに奏でます.華奢なカオルさんがごついマンドリュートを,大柄の井上さんが小さなマンドリンで構える図はなんともミスマッチにも映るのですが,そんなことなどおかまいなしに,文字通り大二重奏曲が展開されました.当曲は5年前,井上さんがマンドリンリサイタル(HAKUJUホール)にて,石村隆行さんのリュート・モデルノと共演されておりましたが,その時と比べるとカオルさんの奏するマンドリュートには女性らしい繊細さが感じられました.井上さんの縦横無尽なマンドリンに的確にからむカオルさんのテクニックにはいつもながら感心させられます.ラストは井上さんのマンドリュートによる講師演奏.広大なダイナミックレンジと豊かな表現力には言葉もありません.まさに圧巻の演奏でした.休憩後はARTE TOKYOのメンバーによるアンサンブルコンサートです.マンドロンチェロ組とギター組の何組かの演奏が続きましたが,いずれも荒削りな部分は残るものの若手奏者のエネルギーを感じさせる瑞々しい演奏でした.指導者,マエストロとしてオーラを発し続ける井上さんと,それに続かんとする若手奏者とが繰り出す新世代のマンドリン音楽に今後とも目が離せません.

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