2013年9月9日月曜日

2020東京オリンピック開催決定!

東京は勝ち残れないのではと思っていました.フクシマ放射能汚染水問題がIOC委員に計り知れない影を落としてるように思えたからです.汚染水処理を企業に押し付け,根本対策を先送りしていた日本政府に対する世界からの不信の表れと感じていました. 今回は候補国それぞれに課題を抱えた中での戦いでした.マドリードはユーロ経済圏を揺るがすほどの国家財政難,イスタンブールは政権批判デモや隣国シリアの内戦問題,そして東京は汚染水問題です. マドリード優勢との大方の下馬評の中,みごと東京開催を勝ち取った背景には様々な要因があったのでしょう.日本人が苦手とするプレゼンでのパフォーマンス,IOC委員へのロビー活動,政界・財界のバックアップ,次期に予定されているソチやリオデジャネイロでの準備の遅れ等が東京への強力な後押しとなりました.とりわけプレゼンにおける各プレゼンターの発言は印象的でした.冒頭に登壇された高円宮妃久子さまの震災復興支援に対する感謝のスピーチから始まり,安部首相はフクシマから逃げず,データをもとに東京の安全・安心をIOC委員に訴えます.滝クリは日本人の「お・も・て・な・し」の心を流暢なフランス語で語りかけます.猪瀬知事は英語にはぎこちなさがありますが,むしろ招致獲得にかける熱い気持ちが身ぶり手ぶりから伝わってまいります.竹田理事長は最高責任者としてストレートに,ダイレクトに東京への投票を訴えます.震災被災地出身であるパラリンピック陸上の佐藤選手はスポーツが挫折を乗り越える力を与えたことを熱く語ります.これらを聴いているうちに,東京開催がもし実現できたら,日本にどれほどの夢と希望がもたらされるのかと期待に胸膨らむ思いがしました.IOC委員にも熱い思いが伝わる素晴らしいプレゼンだったと感激しました. ロゲIOC会長の「TOKYO」の発声に日本中が歓喜に包まれました.「よかった!」と素直に思いました.東京五輪開催が決定した2013年9月に東京を離れることになる私としてはなんとも複雑な気持ちではありますが,今後の日本全体が盛り上がることに間違いなく,定年後のセカンドライフの中でも大きな楽しみが増えたことになります.本来国として本腰を入れるべき汚染水対策も世界に対しては公約宣言ともなり,逃れられない重い責任を負うこととなりました.日本国民の一人ひとりが7年後の楽しみを共有するとともに,被災地対策を見守っていかねばなりません.

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