2023年10月14日土曜日

新生ジャパン・ギター・カルテット演奏会

福田進一とその門下生である鈴木大介や大萩康司らとのギターコンサート.この顔ぶれのコンサートは2002825日に静岡音楽館AOIで開催されたスーパーギターコンサートの記憶に遡ります.その時は福田進一が師事したオスカー・ギリアを筆頭にその生徒たちとの演奏プログラムでした.当時はやはり福田進一のギターが圧倒的に他の奏者を凌駕していました.当時は村治佳織も加わっていましたが,今回はその弟である村治奏一が代わりに出演しました.今回も勿論,福田のギターは他を従えている感はありましたが,門下生のだれもが当時より演奏力の向上が認められました.特に鈴木大介の高音はよく響いているような気がします.一番若手の村治奏一の甘い音色も印象的でした.大萩康司の音は繊細感はあるもののボリュームがやや弱いように感じました.

福田進一の演奏合間のトークによると,福田と大萩のギターはブーシェ(フランス)作で,特に福田のはボディに楓が使われており,ブーシェでは唯一の作品であり,かなりの貴重品とのこと.村治奏一のギターは名器フレタで実に甘い音色でした.鈴木大介は後半から今井勇一の8弦ギターを使っていました.

その他気がついた点としては福田は楽譜をパッドで追っていましたが,他の3人は紙の譜面でした.ギターの抱え方では大萩だけが足台を使っていて,他の3人はギターレストを付けていました.

現代のクラシックギター界第一人者たちの演奏はまことに素晴らしく,感動的でした.ギターは素人にも馴染みある楽器ではありますが,正確にきれいな音色で奏でるのはなかなか難しく,途中で挫折するケースが大半です.今宵,ギター本来の素晴らしさを存分に堪能させてくれた一流奏者たちに拍手です!

 会場のAOI 来週はこの舞台で演奏

 一流奏者の聴き比べ



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