2015年2月9日月曜日

久々の映画鑑賞

数日前に読んだ新聞コラムに,まさしく我が意を得たりの内容がありましたのでご紹介してみます.「人生の哀歓を繊細に温雅に滋味豊かに描いた作品は無論すばらしい.しかし,雄大で絢爛豪華で力感あふれる大作の魅力はまた格別だ.例えば,このスペクタクル史劇のような.」ここでいう大作とは映画作品のことであり,このスペクタクル史劇とは今公開中の「エクソダス 神と王」のことです. 当映画が上映されていることは知っていたのですが,例によってCGを駆使した,よくある大仰な作品なのだろうと思い気にも留めていなかったのですが,本コラムを読み,にわかに映画館にて観てみたいとの思いに駆られ,本日観てまいりました.内容はいわば「モーゼの十戒」の現代版なのですが,地理的,歴史的背景を絡めてみますと,現代の中東問題もにつながる深い歴史観が横たわっていることに気付かされます.ヨーロッパにせよ,中東諸国にせよ陸続きであるが故の,人種や宗教の違いによる勢力争いが何世紀にもわたり繰り返されてきました.それにくらべ日本は東洋の果ての島国が幸いし,これといった外敵にもさらされず,長いこと平和が保たれてまいりました.これが現代にも通じる日本人の平和思想の源泉であり,特定の宗教に偏ることなく,どの宗教にも寛容になりえた所以ではないかと思われます.日本では日常生活に親しまれている仏教の寺社や神道の神社はそれぞれが互いを認め,相容れる寛容さがあります.農耕民族の日本に生まれて本当に良かった! さて,本題に戻りますが,本作品はこうした重い歴史観を認識させるとともに,大スペクタクル映画本来の醍醐味を存分に味わうことができます.「これほどの贅を尽くした作品はめったにあるものではないのだから.」と当コラムは締めくくっています.

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