きょうは夏を思わせる強い日差しが照りつける中,久しぶりに映画館を訪ねました.丁度2年ぶりとなるイザベル・ユペールとの出会いです.前回は「間奏曲はパリで」でした.私と同じ歳の彼女が演じるそのチャーミングな仕草に完全に魅了されてしまいました.バックで流れる音楽とフランス語の語りやパリの風景.けして華やかではありませんが,なんともお洒落な感覚はフランス映画ならではですね.
そういえば私の洋画体験のスタートは高校生の頃見たアラン・ドロンからで,その頃共演していたナタリー・ドロンも憧れの女優でした.
さて今回のイザベルは「未来よこんにちは」で,凛とした女性哲学教師ナタリーの孤独感を見事に演じていました.突然の夫からの離婚宣告や母との死別,自身のプライドの源泉でもある教職の行き詰まり感等,幸福な日常がふとしたことから暗転の非日常へ転がっていくという想定外の連続.孤独感が募るが,ナタリーはそれを真の自由を手に入れたことへの意識転換で乗り越えていこうとする.
この映画のチラシに記述されている「今を生きる私たちのエイジングへの“怖れ”を吹き飛ばしてくれるに違いない」とは思うのですが,皆が皆,ナタリーのようなキャリアを持ち合わせている訳ではなく,それなりのお歳をめす大方は不安だらけなのが現実ではないでしょうか.でもこの映画を観に来た観客の多くが彼女に共感して会場を後にしたこともこれまた事実でありましょう.それこそがイザベル・ユペールの魅力のような気がいたします.
0 件のコメント:
コメントを投稿