2017年5月3日水曜日

憲法施行70年

昨年の今頃も憲法論議が高まりを見せ,私も日本国憲法を一読してみたものでした.とりわけ今年は憲法施行70年にあたること,世界情勢の流動化とともに隣国との非常事態をも想定される昨今において,「憲法を変える」との論議が取沙汰されています.  新聞によれば,70年間一度も改正されていない日本国憲法は,現行憲法としては世界一の長寿とのことです.また,その文章自体が短いことも特徴で,英訳単語数4998語は国際的に比較して相当少ない位置付けとなっています.  憲法は本来,理念や原理を定めるものであることとし,統治に関する項目が「法律で定める」とされている場合が多いようです.一方,人権については多くの記述がなされており,結果として文章は短くはなりましたが,「人権」には手厚く,「統治」は法律に任せていることが,改正の必要がなかった理由だと考えられるとのことです.  自衛隊の存在や象徴天皇の扱いなどを理由に憲法改正を叫ぶ勢いが増してきているかのようにも見えますが,憲法改正を迫るほどの世論の高まりは感じられません.憲法とは国民を縛るものではなく,権力者の暴走を食い止めるものとの認識を再度新たにすることが必要なのではないでしょうか.

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