2015年12月31日木曜日
2015大晦日
2015年も残りわずかの時間となりました.今年も実に様々な出来事がありました.私の印象に残っている事をいくつか挙げてみますと,まずは大村智さんノーベル医学・生理学賞の受賞です.私の卒業大学からノーベル賞受賞者が出ようとは夢にも思いませんでした.常に微生物を探し求める姿と受賞に対する謙虚な言動には心動かされました.次にラグビーW杯の日本チームの歴史的勝利です.エディー・ヘッドコーチによる過酷な練習指導は半端無く,こうした試練を乗り越えてこその結果なのでしょう.一躍時の人となった五郎丸選手は静岡県磐田市の知名度を飛躍的に高めてくれ,私事のように嬉しく思います.一方,今年は自然災害も多かったような気がいたします.台風17号に伴う集中豪雨による鬼怒川堤防決壊は,未だに人知の及ばない自然の猛威を見せつけることとなりました.とりわけ被災地の常総市は会社勤務時に新入社員研修指導のため毎年訪れた地域であり,その被害状況には胸が痛みました.世界的にはイスラム国によるテロの脅威が広がりをみせ,中東はおろかヨーロッパをはじめ全世界にまで及ぼうとしています.世紀末を思わせる数々の蛮行はまさに絶望と悲劇の繰り返しです.宗教,地域,人種が複雑に絡み,その出口がまったく見いだせないまま2015年が暮れようとしています.テロの脅威が比較的及びにくいと思われがちの日本においても現に人質殺害の被害が出ました.現政権による安保関連法案の成立は今後の日本の立ち位置をよりリスキーな方向へ進めてしまわないか不安にかられます.また,ドイツのVW社による排ガス不正事件には本当に驚きました.堅実な国民性と確かな工業技術力を有するドイツがまさかと思いました.これは日本の建築界における建物杭データ偽装事件も同様に国内外にショックを与えたものと思われます.ドイツも日本も大きくその信頼性を揺るがす事件でした.そうした中,かねてからの国家間懸案でありました,韓国との慰安婦問題がこの年の瀬に一気に解決合意に至りました.これは大戦後70年,韓国との国交正常化50年という記念の年に解決せねば,今後永久に引きずることになりかねないとの危機感,それぞれの政権の思惑,米国の強力な後押し等が作用したものと思われます.両政権とも国民や特定支持団体等への対応に大きな困難が立ちはだかることが予想されますが,今しかないとの決断であったのでしょう.先般パリで開催された温暖化対策国際会議COP21でも先進国と途上国は互いに相譲れぬ難題に直面していましたが,議長を務めたフランス外相は「すべての国が100%を要求すれば,結局は全員が0%しか得られない」と述べ,最終的にパリ協定が採択されました.実はこうしたことはごく身近な事例でも同様に存在する大切な考え方です.私が所属しているマンドリン演奏団体でも物事の取り決めにあたっては意見の対立がつきものです.勿論決める時には決めなくてはならないこともあるでしょう.そんなときも常に他の考えを排除せず,全体を利する結論を導く努力が大切なのです.世界的にも国内的にも一個人としても様々な難題を抱えつつ2015年が暮れていきます.
富士山
日の入り
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