2013年12月27日金曜日

ゼロファイター

数日前,デパートのフロア一角にプラモデルのコーナーを見つけ,しばし童心にかえりあれこれ手に取ってみました.飛行機や自動車,艦船に戦車など,数えきれないほど作ったものです.とりわけ「タミヤの戦車」は箱の絵や部品の一つひとつに至るまで実に忠実に再現された模型で人気がありました.その田宮模型は静岡市に本社があります.子供の頃,あれほどプラモデルが流行し,数多く出回っていたのもそのせいかもしれません.飛行機も第二次大戦時の戦闘機が人気でした.メッサーシュミット(独)とスピットファイアー(英),グラマンにムスタング,コルセア(米),そして日本製はなんといってもゼロ戦です.正式には零式艦上戦闘機と呼ばれ,21型や52型等の改良型があります.開戦当時は優れた旋回性能や航続距離,強力な機銃装備等で無敵を誇り,欧米からは「ゼロファイター」と呼ばれ恐れられたようです.
先日はそのゼロ戦が活躍する映画「永遠の0」を観に行ってまいりました.邦画を観るのは何十年ぶりなのか,とにかく前回観た邦画が何だったのかも思い出せません.今回この映画に惹かれたのは,先ずはゼロ戦が重要なアイテムとなっていること,すなわち数日前に出会ったプラモデルのゼロ戦の雄姿につながります.それとカミさんが原作となる小説を読んでいる最中だったことです.本を読まない私は知らなかったのですが,人気小説家によるデビュー作品のようでした.映画を観て驚いたのは特撮技術VFXの効果です.邦画もここまで描写するようになったのかとの思いです.空母「赤城」からの発艦情景や敵機との空中戦等,臨場感に満ちた映像は実に感動的です.これはまさに子供の頃,こんな情景を頭に描きながら模型を組み立てていたワクワク感と同じです.一方,娯楽映画とはいえ,戦争をテーマとした作品は役者にとっても重いものでしょう.ベテラン俳優陣に囲まれ,主役級の若手タレント達が重みを感じさせる演技をしていました.終戦間近の神風特攻隊の悲劇は戦争のもつ悲惨さの象徴として,今を生きる現代人にも決して忘れてはならない出来事のひとつです.生きることの尊さ,数多の犠牲の上に現代の繁栄がもたらされていることをあらためて感じさせてくれた作品でした. 今年はゼロ戦に因んだヒット映画作品がもうひとつありました.こちらはアニメ作品ですが,その監督が後に封切となるゼロ戦関連映画について酷評を述べたとか述べないとか...名機ゼロ戦にまつわる史実について争う映画製作者同士もゼロファイターと言えるかもしれません.

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