悪報あれば吉報あり

大関の一人が日本相撲協会の新型コロナ感染対策ガイドラインによる「不要不急の外出禁止」発令中にもかかわらず都内キャバクラに複数回出入りしていたことが発覚，当初の聴取で嘘の報告を行い，その後一転して容疑を認めたというもの．多くの相撲ファンが今後の活躍を期待していただけに，この報道には落胆したファンが多かったでしょうし，関取生命すら危ういようです．

次に，今年の箱根駅伝で最終ゴール寸前にトップを抜き去り，総合優勝という大金星をもたらした選手が都内ホテルで女子高生への不適切行為の疑いが発覚．全国の箱根駅伝ファンに与えた感動を一気に冷ます結果となりました．

こうした事例は有名人にはありがちの報道なのですが，背景には１年半続くコロナ禍があるのではないかと思います．非日常の継続による閉塞感は誰しも抱えており，ときに正常な判断を欠く行動が頭をもたげる．

コロナ禍は普段の何気ない人間関係や政治・経済などの分野にまで取り巻く環境の脆弱さを露呈させました．

一方，気持ちを明るくしてくれるニュースもありました．一つはTVドラマ「逃げ恥」で共演した主役のふたりが本当の結婚報告をしたこと．ふたりとも庶民的で絶大な人気を誇るタレントだけに，若い人のみならず多くの国民に祝福をもって受け止められたようです．ロス感も大きかったようですが．

もう一つは米国大リーグにて投手と打者の二刀流で大活躍の日本人選手です．勝ち数は少ないですが投球内容は素晴らしく，大リーグの打者のバットが空を切る投球はまさに痛快です．そして大リーグファンにもっとも分かりやすいアピールポイントはホームランの量産です．とりわけ特大ホームランが多く，解説者を呆れさせるほどのパワーを見せつけています．

コロナ禍で度重なる感染者数の波が押し寄せる中，遅々として進まない医療体制の立て直しやワクチン接種の進捗状況など暗いニュースで辟易する毎日ですが，身近な有名人による吉報にはほっと救われる思いがいたします．