53年後の男と女
53年前といえば多少ませた中学生であった私でも,さすがに映画「男と女」は観ておりませんでした.一昨年の9月にTV録画を初めて観ましたが,映像,音楽ともに印象に残る作品でした.とりわけ女優のアヌーク・エーメには魅せられてしまいました.
その当時の監督,主演の男女が53年を経て,続編に取り組んだ話題の作品「男と女 人生最良の日々」が公開されましたので観てまいりました.
まず感じるのはお洒落なフランス映画らしさです.さすがにアヌーク・エーメも年をとりましたが魅力的です.53年前の映像が微妙に組み込まれ,53年という時の流れを感じさせてくれます.男優のジャン=ルイ・トランティニャンも相当に老けましたが,男の一途な性をうまく演じています.
観終えたあとは不思議な感覚に包まれていました.感涙にむせぶわけでもなく,ほっとした温かさが体の中から伝わってきたのです.認知症の進んだジャンのとぼけ具合が数年前の私の父親のそれと似ているように感じたのです.いずれ私自身もそんな状態になるのかもしれませんが,クロード・ルルーシュ監督のごとく「今」を大切に生きることを心に留めておきたいと思います.
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