2018年9月6日木曜日

共感

新聞に掲載される池澤夏樹さんのコラムにはいたく触発されることがあります.今回もまさしく共感させられた冒頭言・・・「誰も言わないから言っておく.官公庁がこぞって身体障害者の雇用数をごまかすような国にパラリンピックを開催する資格はない.」

この日のコラムの本題は別物でありましたが,一言提言せずにはいられない心境だったのでしょう.どこもかしこも嘘偽りがまことしやかに浸透しつつある中で,本質を見つめ,鋭く指摘するあたりさすがに表現を生業とする作家としての面目躍如たるところです.

残念なことに今どきの若者は現政権への支持率が高いとのデータがあるようです.本質を見失いがちなのはITSNSの急速な進歩により目の前のうわべの情報に翻弄されるからです.そういや自民党支持層は新聞を読まないとのたまった自民党幹部がおりました.とにかく直近の状況さえ良くなればよい,自分さえ良くなればよいといった狭量な思考が蔓延しつつあります.トランプなどはその最たる悪例です.人の幸せの本質が見失われてきたことの表れでしょう.

さてこの日のコラムのテーマは「神なるヒトの衝撃 人生はアルゴリズムか」でした.あるイスラエルの歴史家の著書を題材に論じたものですが,人の究極の姿を推論したものです.私などは多分になるほどと思ってしまう部分があるのですが,どうしても虚しさが残ります.こうなると冒頭言にあるような指摘がむしろ人らしく思えてきてしまいます.

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