先日の「らららクラシック」はニーノ・ロータ特集でした.ニーノ・ロータは映画音楽作曲家として有名ですが,本人はクラシック音楽の作曲家として生きる道を目指していました.映画音楽を手掛けては酷評を浴びますが,そのうちそうした作曲活動に本来目指す道が開けてきます.
映画監督の巨匠フェデリコ・フェリーニとのタイアップで多くの作曲を手掛けていますが,初期の名作「道」では,監督の妻がジェルソミーナ役を演じ,テーマ曲が流れるシーンは印象的でした.
ヒット作「太陽がいっぱい」で流れるテーマ曲では,眩い地中海の景色の中でドロンの影を感じさせるマンドリンの音色がなんともいえず憂いを感じさせました.
その後の「ロミオとジュリエット」,「ゴッドファーザー」のメロディーの美しさはこの上ないほどです.
私がマンドリン演奏を続けている理由の一つがイタリア音楽の美しさにあります.マンドリン発祥の地イタリアで作曲されたマンドリンのオリジナル曲はまさしくそのエッセンスそのものであり,演奏するたびに気持ちが高揚します.
と同時にマンドリンを日本に知らしめた古賀メロディーに通じるマイナー感はイタリア民謡にも通じるところがあります.
ニーノ・ロータは北イタリアのミラノの生まれです.オペラの殿堂ミラノ・スカラ座での作品公演を夢見ていたに違いありませんが,「ゴッドファーザーⅡ」のアカデミー作曲賞受賞は別なる道への成功の証となりました.
0 件のコメント:
コメントを投稿