2016年6月26日日曜日

大英帝国

イギリスのEU離脱という国民投票結果は世界に波紋を投げかけました.世界の株式市場が大きく下落し,とりわけ日本では円の急騰により,輸出産業に依存度が高い日本経済に深刻な打撃を与えかねません.問題は経済だけにとどまらず,EU加盟国の中にも,従来からEU政策に反感を持つ勢力が勢いを増す傾向に拍車がかかるといった懸念が現実味を帯びつつあります.EUの盟主たるドイツ,フランスにおいてでさえ,極右勢力が台頭してきており,今回のイギリスの離脱はそれら勢力を勢いづかせたことは間違いありません.世界的に国家が,イデオロギーが二分されるといった嫌な方向へ向かいつつあるような気がします.本来は二度と戦争を繰り返さぬための大同団結だったものが違った方向に進み始める.民主主義の疲弊なのか,それとも資本主義の末路なのか.それぞれのお国事情を抱えた,解決を見い出しにくい難問ではあります. さて,今年はかのイギリスからビートルズが来日して50年という節目の年であり,様々な特集番組が組まれています.来日時の出来事やエピソードを見たり聞いたりするたびに,当時の日本の若者に与えたファッション,文化,思想への影響や,ひいては社会現象まで引き起こしたこと等,まさにエポックメイキングであり驚くばかりです. 50年前に日本のみならず全世界にセンセーションを巻き起こしたイギリスは,今ふたたび全世界を揺るがす事象を投げかけました.「離脱」に投票したというブロンドの美女がインタビューに答えていました.「私たちは大英帝国なのです.みずから決めていくのです」

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