世界に冠たるベルリンフィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督サイモン・ラトル(イギリス出身60歳)が2018年で任期切れとなるのに伴い,16年ぶりに後継者を選出する楽団員会議がベルリンで行われました.これは「音楽界のコンクラーベ(ローマ法王選出会議)」とも呼ばれ,世界のオーケストラ指揮者人事にも多大なる影響を及ぼすと云われます.楽団員が自ら首席指揮者を選ぶのはベルリンフィル独特のもので,帝王カラヤンの後任を選ぶ1989年から導入されました.以降,クラウディオ・アバド(イタリア出身)が1990年~2002年,サイモン・ラトルが2002年~2018年(見込み)在籍し,次期後任者は3人目の選出となります.候補者としてはクリスティアン・ティーレマン(ドイツ出身56歳),アンドリス・ネルソンス(ラトビア出身36歳),グスターボ・ドゥダメル(ベネズエラ出身34歳)らが上がっているようです.会議は厳重な非公開の下,正団員124名が出席し,11時間以上にわたり行われましたが,結局,大多数の支持を受ける1人にまで絞り込めなかったとのことです.傑出したマエストロが不在なのか,他楽団との契約等のためなのか理由はあれこれ推測されますが,今後1年以内に再投票を行うようです.熱心なベルリンフィルファンにとっては次期後任者が決まるまでの根競べとなりそうですね.
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