先日録画しておいた「ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版」を観ました.原版は昭和29年(1954年)に制作されたものです.当時はCGなどありませんので,着ぐるみのゴジラは愛嬌さえ感じるのですが,当時のキャラクターとしては東京を破壊し尽す大怪獣として人々を恐怖のどん底に突き落とす魔物そのものでした.背景には水爆実験に象徴される大量破壊兵器開発への批判の叫びがゴジラに姿を変えて現れたのかもしれません.映像の中で,国会におけるゴジラ出現の報道管制について議員同士の激しいやりとりがありましたが,ひたすら報道制限を主張する男性議員に対し,すべての情報公開を迫る女性議員の圧倒的な逞しさには舌を巻いてしまいます.女性議員への蔑視が横行する現在の状況とついつい比較して観ていました.
原版は60年も前のものだけに,着ぐるみはもとより,破壊される街並みのセットや車両,燃えさかる炎,荒れ狂う海原等の描写はちゃちなものですが,モノクロ映像はそれなりに恐怖感や迫力を感じさせます.
今月末にはハリウッド版が上映されるようですので行ってみようかな.
0 件のコメント:
コメントを投稿