2014年6月8日日曜日

静フィル演奏会

静岡フィルハーモニー管弦楽団の演奏会に出かけてきました.当楽団は1977年創立の市民によるアマチュア団体です.会場の静岡市民文化会館は1978年11月3日(文化の日)に開館ですので,ちょうど当楽団発足直後にオープンしていた会場となります.大ホールは1968席を擁しますが,さすがにコンサートホールとしての老朽化が目につきます.まず,客席の前後左右の余裕がまったく無く,列の中ほどに一旦座ってしまうと席を離れにくくなってしまいます.音の響きはそれほどデッドとは感じませんが,ラフマニノフのP協2番ではピアノの音がオケに埋もれてしまっていました.確かに協奏曲にしてはオケの人数が多すぎるのではと思いましたが,アマチュア団体ですのでオケの音量がそれほど強いわけでもないでしょう.ピアニストは上手に弾いておられたのでちょっと残念でした.それにしてもラフマニノフの旋律のなんと美しいことか.曲の冒頭部では感激で震えがきました.ブルックナーは私も好きな作曲家の一人ですが,やはりアマチュア楽団にはちと無理がありましたか.まずスケール感が不足していることで,これらは管楽器にしろ,弦楽器にしろ全員が正確に演奏できていないと伝わってきません.どこの楽団でも感じられるのですが,ホルンの伸びやかで美しい音色はなかなか聴くことができません.難しい楽器なんでしょうね.弦ではビオラがちょっと弱い感じです.本日は4番シンフォニーでしたが,ブルックナー作品はいずれも長大で巨大な建造物のようなものですので,4つの楽章をつなぐメリハリがないと単調になりがちです.このメリハリは正確な音の積み重ねから出来上がりますので,ミストーンは建造物の強度を弱めてしまいます.さて,欠点ばかり指摘していては音楽鑑賞になりません.本日の演奏はブルックナーの巨大建造物に初めて挑んでいった楽団員の熱意が感じられました.たとえミスタッチがあろうと果敢に挑戦していく心意気に感動しました.これだからアマチュアであろうと音楽は止められないのです.

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