カミさんが東京から帰ってまいりましたので,静岡県立美術館で開催中の「佐伯祐三とパリ/大阪新美術館コレクション」展に行ってみました.1925年前後のパリ在住時の作品は,その多くがパリ市内の建物とともに街角に張られたポスターや店の看板文字を描写したものです.当時のパリの雰囲気が伝わり,私の好きな絵のひとつです.佐伯が影響を受けたというユトリロの作品もありましたが,むしろ,佐伯の作品にパリへの強い憧れを感じます.それは日本人だからこそ抱く想いのような気がいたします.佐伯が一旦,パリから日本に戻り,住まいの近景を描いた作品を見ても,「気」が感じられません.本人も日本の街並みの風景はモチーフとして貧弱であるようなことを述べています.私も子供の頃から西洋への憧れが強く,ある時期は英国,またある時はフランスへと思いを馳せました.もう一度パリの街を散歩してみたいものです.
さて,当美術館には隣接してロダンの彫刻作品を常設展示しているロダン館があり,そちらも見てまわりました.ダンテの神曲をテーマにした「地獄の門」や代表作「考える人」が展示されており,その展示場の造りも含め,神聖で厳かな雰囲気を味わうことができました.
展示案内板
A.Rodin「考える人」 当館はフラッシュ無しでの撮影可
A.Rodin「地獄の門」
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