2012年3月23日金曜日

OB会(続)

3年ぶりに出席するOB会の開催地甲府へ向う電車の中で私は飯島先生の著書「比留間賢八の生涯」を読んでいました.
比留間賢八はマンドリン界で知らぬ者はいない比留間絹子先生の父であり,明治34年,本邦に初めてマンドリンを持ち込んだとされています.当時,賢八のマンドリン門下生には藤田嗣治(水彩画家),萩原朔太郎(詩人),里見弴(小説家),斎藤秀雄(指揮者,桐朋学園大学創始者),武井守成(音楽家)らそうそうたる顔ぶれが並びます.こと活字に関しては大の苦手な私でもこの本には食い入るように字面を追っていました.
賢八死後は愛娘の絹子先生の活躍が年代を追って綴られています.絹子先生には私自身が大学時代に夏合宿で個人レッスンを受けた経験もあり,ことさら身近に感じられます.
昭和62年7月には比留間賢八生誕120年記念演奏会が武蔵野市民文化会館にて催されました.演奏は比留間マンドリンアンサンブル,杉原里子マンドリンアンサンブルに加え,客演独奏者として越智敬,シルビア夫妻がドイツより来日しコンチェルトを演奏しています.この日の第3部ステージ4曲の指揮を振られたのが飯島先生でした.そして内2曲が「レナータ」,「マンドリンの群」だったのです.
今回のOB演奏会ではこの2曲が選曲されていました.大学時代,マンドリンクラブの常任指揮者として熱心にご指導いただいた飯島先生のタクトを思い浮かべながらこの2曲を演奏しようと心に決め,甲府駅に降り立ちました.

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