挙式は明治神宮にて執り行われました.明治維新150周年記念の年,平成元号最後となる天皇誕生日の日でした.新婦の親としては早くから着付けやスケジュールの確認やらでまことに忙しい!まずは神楽殿にて親族紹介.父親としての最初の役目です.
挙式場は奉賽殿右殿ですが,ここに行くまでの「参進」がポイントです.参進とは神前挙式の儀式のひとつで,巫女や神職を先導に神殿まで歩いて進む重要な儀式です.古式ゆかしい荘厳な雰囲気の中で行われます.この日は今にも雨が降り出しそうな天候でしたが,海外からの観光客を含め多くの参拝者が来ており,物珍しい儀式の様子を撮ろうと大半がスマホをかざしていました.なんとなく有名人になったような気分です.
右殿では古箏を奏でる雅楽の中,一連の儀式が進んでまいります.厳かな空気に身が引き締まる思いです.
挙式後は明治記念館に移動して披露宴です.
本来はゲストの方々には当館の素晴らしい庭園にて歓談いただくことが予定でしたが,あいにくの天候で取り止めです.それでも会場の「金鶏の間」からの庭園のしっとりとした景色もいいものです.
披露宴ではゆっくり料理を味わっている暇はありません.両家の来賓への挨拶が重要な役目です.それにウェディングドレスに着替えた花嫁をエスコートすること,余興のマンドリン演奏が控えており,アルコールも控えねばなりません.
宴も終盤となり,娘が両親への手紙を読む場面では,涙は出ませんでした.横にいる妻もむしろ笑いをこらえているような表情でした.飾り気のない実直な手紙文はいかにも娘らしいものでした.私が目をつむり思い致していたのは,かような立派な会場で,多くの来賓,同僚,学友,親族らに囲まれ,社会人として有意義に人生を送ってきている娘の逞しさへの感慨でした.同時に娘の多感な時期を支えてくれた妻への感謝です.
我が家は1人娘ですので娘が他家へ嫁ぐことなり,これからは妻と2人きりになりますが,娘とは良き仲間として引き続き付き合っていきたいと思います.娘に幸あれ!