2015年7月21日火曜日
アレ?のままで
きょうは映画館のはしごをしました.1本目は「アリのままでいたい」①,2本目は「アリスのままで」②の2作品です.タイトルが似ていますがまったくの別物です.①は昆虫を扱ったネイチャー・ドキュメンタリーで,アリの目線から見た昆虫の生態をダイナミックな映像で描き出した作品です.TVで一部の映像を紹介していたのを見て,昆虫好きの私としては見逃せないなと思った次第です.このところは高画質のネイチャー・ドキュメント番組がTVで数多く提供されていることもあり,わざわざ映画でとも思ったのですが,従来と異なるアングルでの映像は確かに昆虫の世界の新たな一面を覗かせてくれるような迫力を感じさせました.ただし,評価できるのは昆虫を映し出す映像のみ!意味もないアニメーションや,人気芸能人による声優役,テーマソング等は無駄に製作経費がかさむだけで,ネイチャー・ドキュメント作品としての価値を下げるだけ.それにこの映画タイトルです.アリの目線の狙いはわかるのですが,アリ自体の映像はごくわずかだし,どうしても昨年の大ヒットアニメ映画の「ありのままの・・・」にこじつけてるのではと勘ぐりたくなります.子供連れの家族を取り込もうとの魂胆がみえみえですね.大人の鑑賞にも応えてくれるのではとの期待は完全に裏切られました.
②は主演のジュリアン・ムーアが本年度のアカデミー主演女優賞をはじめ主な映画祭で賞を総なめした話題の作品です.若年性アルツハイマー病と宣言された有能な女性言語学者がその後の運命と戦う姿,家族との葛藤と絆を描く物語です.よくある題材かもしれませんが,J・ムーアの演技力が光る作品で,数多くの受賞も頷けます.タイトルの意味は,人は死の直前まで己の尊厳を損ないたくないという理性の生き物であることを表わしているのではと思います.実は①の作品で唯一考えさせられた映像があり,雄のカマキリが交尾のため雌カマキリに近づいたところ,雌に獲物と間違えられ食されてしまうといったものです.頭部はすでに食べられてしまっているのにもかかわらず,交尾はし続けている映像はかなりショッキングではありました.これは生物としての生き残りの本能に他なりません.まさに生き物としての人とは対極にあります.①,②と続けて観て「生と死」について考えさせられました.
①上映のZART CINE CITY
②上映のサールナートホール
①②のチラシ
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