20余年を要した富士山の世界遺産登録がようやく文化遺産として,しかも三保松原を含めて実現しました.静岡市に生まれ育った私としては富士山は当たり前に身近な存在であり,子供の頃に釣り好きだった父がよく連れて行ってくれた三保の海岸から見る富士,冬にはスキー,スケートにと富士五湖周辺に出かけて見た富士等,四季折々の富士の姿が思い浮かびます.
登ったのは大学2年の夏で,所属していたマンドリンクラブのイベントの一つとして参加したものです.夕方に5合目から登り始め,8合目あたりで休憩時に仰向けで眺めた夜空の流星がとてもきれいでした.頂上に着く寸前にご来光を仰ぐことになりましたが,これも感動ものです.すっかり明るくなった山頂に着き,あらためて見る眼下の世界は一面雲海に覆われ,足元の噴火口の景色とともに自然の雄大さに包まれるような感動を覚えたものです.幸い私は高山病にはならなかったのですが,数名の部員が体調をくずしたようです.それも下山の頃には回復したようで安心しました.下りは砂走りと呼ばれる一帯で,火山灰で覆われた坂を一気に駆け下りるものです.一旦走り出すと止めようがなくなる危険な下り坂ですが,なんとか下り切りました.今思えば若かったからできたのでしょうね.
「富士山に二度登るのは馬鹿だ」と云われ,それ以来登っていませんが,一度は登っておいて本当に良かったと思います.
今秋には定年退職となり,15年ぶりに故郷の静岡に戻るその年に富士山が世界遺産の姿で私を出迎えてくれるかのようで,ひとり勝手にほくそ笑んでいます.
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