2012年9月29日土曜日

プロ中のプロ

先日録画しておいた「五嶋みどりがバッハを弾いた夏・2012」を視聴しました.米国の音楽大学弦楽器部の学部長である五嶋みどりさんが全国の有名な寺社,教会にてバッハの無伴奏ヴァイオリン独奏曲を演奏してまわるツアーを収録したものでした.バッハ作品に対する真摯な姿勢は勿論のことですが,日常の生活においてもそのストイックなスタイルに感銘を受けました.
一般的には世界的に有名なヴァイオリニストであれば,ツアーにおける宿泊施設や衣裳,移動交通機関等,一流のものを使用するのが常であると思われます.ところが彼女の場合,宿泊はビジネスホテル,演奏用衣裳は毎回同じ,移動は公共交通機関といった具合でまったくスタイルを異にしています.その根底にあるものは,ひたすら自分の演奏をすることへのこだわりです.ぶれることのない不動の姿です.したがって,演奏場所がどのような所であろうと,天候が荒れ雨音が激しかろうとお構いなしです.彼女の使用楽器はグァルネリの銘器で数億円ともいわれますが,子供に持たせて弾かせてみたり屈託がありません.これも演奏に素直な反応を示す子供達への優しい思いがあるからです.
虚飾を一切断ち切る清々しさ,潔さがバッハの演奏を通じて感じられました.バッハを演奏することは大変難しく,深いものだという彼女のような演奏家こそがバッハと対峙できるのかもしれません.
番組のサブテーマ「不動」の意味が心奥深く伝わってまいりました.

2012年9月22日土曜日

ヴィンテージ・マンドリン・フェア2012

今年もイグチのオールドマンドリン・フェアが開催されました.今回も初日の訪問です.すでにBFのメンバーが1名試奏していました.オールド楽器がこれだけ並ぶと壮観ですね.写真がアップできず残念!今回はヴィナッチャが少ない半面,エンベルガーが多く出品されていました.ルイジ・エンベルガー5bisが2台(130万円,180万円)並んでましたが,年代の違いでネックからボディへの絞りが微妙に異なっています.無駄の無いすっきりしたデザインと弾きやすさが魅力ですが,音色が私にはいまいちでした.パスクァーレ・ペコラーロはピックガードにドラゴンが彫り込まれており一層存在感を放っていました.今回の展示楽器で感動したのは3台のエンベルガーのマンドラです.それぞれ150~200万円もしますが,ネックの細さからくる弾きやすさと透明感のある音色は感動ものでした.へそくりでもあれば買ってしまうところです.きれいなカラーチェ・クラシコAスペシャルが1台(100万円)ありましたが,フレットが装飾されていて弾きやすかったです.いつの間にやらBFメンバーが5,6人集まっていました.オールドの1台はほしいのですが,ブランドと価格,デザイン,音色,音量等々,なかなか難しい出会いですね.

2012年9月8日土曜日

ビートルズデビュー50周年

今年はビートルズデビュー50周年とともにストーンズ結成50周年とのことです.これらにちなんだ記念グッズが人気を集めているようですが,当時,彼らに熱狂した世代にとってはまさに青春時代を共に生きた証拠でもあります.私が初めてビートルズのレコードを買ったのは,小6の頃だったと思いますが,「Twist and Shout」,「She loves you」,「Please please me」,「I saw her standing there」の4曲が入った赤いレコードでした.J.Lennonのシャウトに圧倒されました.当時はベンチャーズが大人気で小学生もエレキサウンドにしびれていました.
同じ頃,ラジオから流れてくる異様なエレキサウンドに一気に魅かれました.これがクリームの「White Room」でしたが,以来ロックのリードギタリストに興味を持つようになりました.当時,音楽雑誌ミュージックライフを毎号楽しみに見ていましたが,海外ロック情報とともにアーティストのファッションも大いに興味をそそりました.高校時代はやはりツェッペリンです.マンドリンクラブの友人はドアーズに心酔していましたが,なんといってもJ.Pageの恰好良さは抜群でしたね.
私がクラシック音楽に興味を持つキッカケは中学時代の友人の影響でした.クラシックも聴いてみろよとのことで借りたレコードがチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番でした.当時,ヤマハのスピーカーの宣伝でも流れていた曲で,すっと私の感性に入りこみました.以来クラシックも色々聴くようになりました.
高校入学時になんとなく入部したマンドリンクラブ.なんでこんな楽器を選んだのかいまだによくわからないのですが,私の音楽を聴く経過を振り返りますと,ロック,クラシックとも楽しめる音楽が自分に合っているのではないかと思えます.マンドリンを弾いているうちに,クラシックギターにも興味を持ち,バッハのリュート組曲も愛聴曲のひとつとなりましたし,「天国への階段」冒頭部やE.Claptonの「Tears in Heaven」もギターで弾いてみたりします.
さて,ストーンズは当初まったく興味無かったのですが,「Junpin Jack Flash」から聴くようになりました.
今夜もビートルズの初期の演奏を聴きながら,キャバーンクラブにいるが如くウィスキーを味わっています.