2012年8月25日土曜日

高円寺阿波おどり

夕方,高円寺駅を降りてその人出の多さにびっくりしました.高円寺阿波おどりは想像以上の賑わいでした.昨年は震災の影響で節電のため昼のみの催しでしたが,今年は本来の夕刻からの繰り出しとなり,一層の盛り上がりとなったようです.娘が当地の阿波おどり団体に一昨年から参加しており,今回も張り切って踊るというので応援に出掛けました.今年の猛暑を象徴するかのような暑さの中,高円寺駅周辺は祭りの熱気も手伝い,まさに夏真っ盛りといった風情でした.若い恋人同士の浴衣姿が新鮮に目に映ります.我が娘がかような姿を見せてくれるのはいつのことやらと思いつつ,娘の団体が来るのを待ちました.大混雑の中,やっとのことで通りの最前列に出ることができ,娘の踊る姿を見つけました.普段,仕事で帰りは夜中,合間に資格試験勉強をしながらもこうした楽しみを持ち,エネルギーを発散している姿を見るとなんとも我が娘ながら,よく頑張ってるなあと感心させられます.
高円寺駅付近はこうした催しのあるおかげか,数多くの飲食店が軒を連ね,街の活性化につなげているようです.帰りに立ち寄った店は居酒屋風食事処でしたが,若いスタッフの対応も丁寧で感じ良く,夏祭りの余韻を楽しむことができました.

2012年8月19日日曜日

東京ジュニアオーケストラソサエティ演奏会

昨日のマンドリンコンクールでは高校生の発する若さと情熱,エネルギーを痛感させられたばかりでしたが,きょうはジュニアによるクラシックオーケストラ演奏を聴きに行ってまいりました.文京シビックホールは東京ドームのすぐ隣にあり,初めて訪れる会場です.
友人の息子さんがティンパニー担当とのことでチケットを用意してくれました.曲目のメインはブラームスの1番だし,指揮者がこのところTVでもよく見かける広上淳一さんだし,大いに楽しみな演奏会です.当楽団は芸術監督としてN響の第一コンサートマスター篠崎史紀さんが指導しており,各楽器の講師も一流の指導者がついています.演奏レベルも期待通りの素晴らしいものでした.
1曲目「禿げ山の一夜」(ムソルグスキー/リムスキー・コルサコフ編曲)はその出だしの音だけで当楽団のレベルの高さ,音量のエネルギーを感じ取れました.広上さんの指揮パフォーマンスも素晴らしいものです.
2曲目の劇音楽「ペール・ギュント」(グリーグ)では「オーゼの死」や「ソルヴェイグの歌」での悲しみのp,ppが感動的に奏でられておりました.とても小学生,中学生,高校生らの演奏とは思えないほどの内省的な音楽を繰り広げていました.広上さんの指導の賜物でしょう.
そして最後の「交響曲第一番 ハ短調作品68」(ブラームス).第1楽章の重厚な出だしも堂々としたものです.2楽章のコンマスソロも小柄な男の子が見事弾き切りました.3楽章も各楽器が平和に奏でます.そして最終楽章も高らかに謳い上げ,実に感動的な演奏を聴かせてくれました.
ティンパニー担当の息子さんは数日前まで夏風邪で高熱が続いており,やっと回復したばかりでの出演で大変だったと思いますが,よく重責を果たしたものです.拍手!
連日で若者の音楽パワーを見せつけられたのですが,年配者もそれなりに頑張らなきゃと思う夏休みの締めくくりとなりました.

第1回全日本マンドリン合奏コンクール

昨日,第1回全日本マンドリン合奏コンクールが開催され,昭和女子大学人見記念講堂に参加団体が集まりました.
これまでマンドリン界において幾度か合奏コンクールが開催されては立ち消えとなっていたようです.今回主宰のARTE井上氏によれば,吹奏楽や合唱ではコンクールがTVで取り上げられる等,話題となり,レベルアップに貢献し,一般の人達にも大きな感動を与えている.翻ってマンドリン界は?との素朴な疑問が今回開催の大きな主旨となっています.すなわち,マンドリンの世界において不足しているのは「切磋琢磨」する場が無いこと,「正しい評価」する場が無いことと指摘されています.
第1回でもあり参加団体は非常に少なく,社会人団体で3組,学生団体で6組の参加でした.全国には数えきれないほどのマンドリン演奏団体がそれぞれの地域で様々な活動をしている現状の中で,演奏を審査してもらうということは大変勇気のいることであり,意義深いことであると思います.
今回のコンクールのポイントは今のマンドリン界をリードするそうそうたる指導者が12名も審査員として顔をそろえたことと,社会人と学生が共に集まり演奏を披露したことでしょう.
特にこのコンクールのためだけにイタリアから来日したUgo Orlandi氏が加わっていることは日本のマンドリン界を多角的に評価するだけでなく,イタリア発祥のマンドリンの良さを改めて認識する良い機会かと思います.その他の審査員もすべてが演奏活動や指揮,作曲等においてマンドリンに関わっている方々です.これだけの人数で審査すれば評価の偏りが無くなり,演奏者にとっても公正な審査と認識されるはずです.
マンドリン演奏コンクールは高校生対象のものが大阪にて定期的に開催されており,回を重ねるに従い,認知度が高まり,演奏レベルの向上にも貢献しているようです.ただ,社会人団体の人達が学生のコンクールを聴きに行くことは少ないようで,現状における高校生の演奏レベルを知らないのが実状でしょう.果たして,今回の高校生の演奏を聴いた社会人のほとんどがそのレベルの高さに驚き,自らの演奏内容,レベルを省みる良い機会となったようです.
審査結果は西遠女子学園が唯一の金賞を獲得,私の所属するBFを含め5団体が銀賞,残り3団体が銅賞となりました.BFに対する評価は審査員の好みがはっきりと表れやすい傾向のようです.私個人の評価では四日市商業高校の演奏がベストだったのですが,西遠女子学園とは僅差だったとのことです.私の母校の静岡東高校も僅差で金賞を逃したようですが,幼さが残る2年生だけでよく頑張っていました.ただ体の動きまでぴったりそろっていた演奏には少し違和感を感じたのですが,これが高校生の素直さの表れなのでしょう.まさに大人に欠けている部分といえます.
大切なことは,折角立ち上げた今回のコンクールを継続させることです.こうした企画を立案,運営した井上氏およびARTEのスタッフには計り知れないご苦労があったと思われます.全国の社会人団体も殻を破って積極的に参加し,マンドリンの良さを皆で分かち合えるようになればどれほど素晴らしいことかとの思いを新たにしました.

2012年8月15日水曜日

見つめる瞳

今,日本中で一番注目されている「少女」に会いに行きました.場所は上野公園にある東京都美術館.炎天下,蝉時雨に包まれた公園内に「少女」の待つ建物はありました.マウリッツハイス美術館展はオランダ17世紀のフランドル絵画作品の展示プロジェクトであり,人気のフェルメールはじめレンブラントらの作品が多数展示されました.
私が「真珠の耳飾りの少女」を初めて目にしたのは,12年前に開催された「フェルメールとその時代」展(大阪市立美術館)のポスター写真にてです.暗闇から振り返る少女の瞳が実に印象的で,画家フェルメールの名もその時記憶に刻まれました.
2007年東京本社に転勤になった年に丁度,「フェルメール≪牛乳を注ぐ女≫とオランダ風俗画展」(国立新美術館)が催され,フェルメール作品を直に鑑賞することができました.「牛乳を注ぐ女」はその色使いや光の捉え方など「少女」に共通する点が散見され,その絶妙な筆使いに鮮烈な印象を持ちました.
さて,「少女」は多数の観客が居並ぶ一室の奥正面にひとり佇んでいました.遠くからでもそのターバンの青と衣服の黄色は視覚で捉えられ,見えるはずもない瞳はすでにこちらを見つめているかのようです.やがて「少女」と間近での対面となります.うつろに振り返るその瞳は何をみつめているのか,少し開いたつやめく唇は何を語ろうとしているのか・・・実に神秘的でありながら,この「少女」はそのあたりにいるような気にもなります.その不思議さがこの絵の魅力ではないかと思います.鑑賞する者に様々な想像をかきたてる名作です.今夜は夢の中で「少女」ともう一度出会えそうな気がいたします.

2012年8月13日月曜日

BF京都演奏会

昨年のBF20回記念演奏会のサブイベントとして京都演奏会を今夏挙行しました.会場は長岡京記念文化会館.京都から大阪方面へ向う電車で10分ほど.BFはその成り立ちからして京都がルーツですので当地での集客はある程度は期待できるのですが,なにせ10年前に同様の記念演奏会を1度開催しているのみでBFの知名度はほとんど無いに等しいのです.それに真夏の京都でお盆休みの初っ端での開催.おまけに当日はあいにくの雨天にみまわれる始末.こうした悪条件の中でも1000人会場に5割ほどのお客様にご来場いただきました.実行委員始め,京都ゆかりのメンバーの集客のおかげです.関西に縁の無い私は京都在住の大学の先輩にお願いし,3名の先輩方にご来場いただきました.OB会を通じたつながりはありがたいことです.
プログラムは先月の21回定期演奏会曲目にプラス昨年のラスト曲を加えたトータル2時間半の盛り沢山の内容でした.弾く方も大変ですが,聴く方も疲れたのではないかと思います.でもそこは10年越しの記念演奏会.関西系の乗りでやってしまいます.
演奏内容としては先日の定期演奏会での反省点を踏まえた,より内容の充実した結果となったようです.ようですというのは指揮者の感想でして,弾き手としては会場の違いからくる響きの差が大きく,弾きにくい会場でした.つまり周りの音が聴き取り難く,奏者は孤独の演奏を強いられることとなります.会場のお客様にはどのように伝わっていたのかその場にいなければ分からないことです.
ラスト曲はイタリアオリジナル曲でもそうそう演奏機会のある曲ではなく,奏者が仮装をして演奏をするという演出は京都の地でもインパクトがあったのではないかと思います.アンコール曲も先月の演奏会とは入れ替え,ヘヴィーな曲で締めました.なんとか最後まで弾き切ったという感じです.
打上げはメンバーのほとんどが泊りということもあり,ハイテンションでした.演奏会終了後の乾杯で飲み干す冷えたビールのなんとも美味いこと!これがあるからやめられません.当夜は客演指揮者の木下氏,編曲者の石村氏,作曲家の吉水氏,マリオネットの吉田氏等々ゲスト参加もあり,より一層盛り上げていただけました.それに私としては大学の先輩方も同じ打上会場に来てくれていたので,お礼を述べることもできました.
盛夏の京都で熱く燃えた演奏会参加は良い思い出となりました.

2012年8月4日土曜日

ソロコン関東地区予選

またソロコンの夏が巡ってまいりました.とはいっても私は単に聴かせていただくだけですが.とても自分では手も出せないような難曲を若手奏者が果敢に挑戦してくる姿を見ているだけで,私も下手ながらも頑張らなきゃって気にさせてくれます.
関東予選では9名の挑戦者がそれぞれの演奏を競い合いました.今回の課題曲はポロネーズ(R.カラーチェ)とプレリュード(G.ミラネージ)の2曲で,自由曲と組み合わせて15~20分間で演奏構成をすることとなります.この場に立つだけで高度な演奏技量を持ち合わせることは勿論ですが,10月大阪で行われる本選への出場に向け,相応しい音楽性も同時に問われることとなります.
休憩を挟み3組づつ演奏が行われました.知り合いのTさんは2組目の2番目.同組の1番目は優勝候補筆頭のAさんでしたのでやりにくかったかもしれません.そのAさんですが,中学生として出場した前回に比べ明らかに成長の跡が伺えます.前回は確かにテクニカルは正確無比だったのですが,表情の起伏がいまひとつと感じました.今回は表現力に磨きがかかり,赤茶色のオチアイは高音がよく伸びていました.今年の本選でもやはり筆頭の奏者でしょう.Tさんは課題曲の2曲を実に丁寧に演奏し,ミスタッチも少なく表情豊かな演奏には感動しました.自由曲のマンドリン協奏曲第2番第1楽章はもっとも好きな独奏曲の一つで,私はまったく弾けませんが,その弾むリズムと繊細なメロディー,ドラマティックな盛り上がり等々カラーチェの最高傑作だと思います.この曲の持つスケール観を丁寧に表現していただけました.今回の予選ではこの曲を自由曲として4名が取り上げており,その聴き比べも大いに楽しめました.
予選評価結果はほぼ私の予想点数通りとなりました.Aさんを筆頭にTさんも無事通過し二次予選に推薦されました.最後に審査員の國土氏のコメントを・・・「マンドリンを弾くとは?第一に楽譜を読み取ること.第二に楽器を扱うということ.本日出場のほとんどの方がブラインドタッチができていない.手元を見ると耳が利かなくなる.目隠しをして弾いてみることをお勧めします」とのことです.優れた演奏者になるのは並大抵のことではありません.

2012年8月3日金曜日

8月の朝

出勤のため玄関を出ると足元には蝉の死骸がころがっていました.これが今年の夏,初めて見る蝉の姿でした.街ではそこら辺でよく見かけるアブラゼミです.ただでさえ暑い夏をジージーとその鳴き声は油を煮るが如く加熱する張本人です.それでもこうして転がっている姿はなんとも痛ましい.やはり夏に初めて見る姿は樹木にへばりつき健気に鳴きまくっているのがいいですね.どんなに暑苦しくても.
私は夏の虫が好きです.蝉ではミンミンゼミの緑のボディに透明の羽,クマゼミの艶っぽい黒のボディとやはり透明の羽,トンボではオニヤンマの黒,黄のボディにやはりこれもクリアな透明の二重羽,柑橘類に飛び交うアゲハ蝶の鮮やかな麟粉模様,水溜りに群れるアオスジアゲハの清澄な水色等々.この夏はどれだけこれら虫達と出会えるでしょうか.