昨年のデビューコンサートを聴いてから1年,本日は第2回のコンサートを聴きに行ってまいりました.
丁度,梅雨の中休みの晴れ間となり,天はARTE TOKYOに味方をしてくれたようです.
会場は昨年同様,第一生命ホール.
前半はイタリアオリジナルを3曲,後半は邦人作曲家による作品が4曲です.
井上氏により集められた若手奏者による演奏は若々しく,瑞々しく,また実にエネルギッシュなものでした.
前半の中ではボッタキアリの瞑想曲「夢の魅惑」が感動的でした.曲を盛り上げる井上氏のタクトに対し,奏者達は音の広大なダイナミックレンジで応えていました.若者の限り無いエネルギーを感じさせます.
後半は今をときめく丸本大悟氏の「時間(とき)の宝箱」と,あとは末廣健児氏の「残された時間」,「流星群」,「風のシンフォニア」の3曲.いずれも秀作と感じられるのはやはり優れた指揮と奏者あってのものでしょう.
感動したのは「残された時間」.曲の解説によれば,京都教育大学MCからの委嘱作品で,部員の4回生であるコントラバス奏者が急逝し,追悼の想いをこめてレクイエムとして依頼を受けた曲とのことです.聴いているうちに瞼が熱くなるのを止められませんでした.
ラストの「風のシンフォニア」はまさに若手楽団ならではのアップテンポでエネルギッシュな演奏.ARTEの高度なテクニックを余すことなく聴かせてくれた難曲でした.
拍手喝采の中,客席からは作曲者である末廣氏がステージ上に呼ばれ,一層盛り上がります.
アンコールではやはり末廣作品の人気曲,「ARSNOVA組曲Ⅰ」,「Beyond the Skies」と続きました.いずれも弾いたことがあるので大いに楽しめました.
客席は9割がた10代から20代の若者で満席となりましたが,こうした新進気鋭の邦人作曲家の作品を積極的に取り上げ,模範的演奏を供してくれるからでしょう.とりわけ人気の丸本氏も末廣氏も井上氏の擁する楽団の奏者なのですから.
それと井上氏の卓越したエンタテイメント性によるところ大であろうと思います.世界をまたにかけ活躍するだけのことはありますね.
ひさびさに充実したマンドリン音楽を満喫した休日でした.